旧東ドイツに関連する2本の映画に衝撃を受ける

熱々たけちゃんブログの竹重です。最近ギンレイホールで観たばかりの旧東ドイツに関連する2本の映画について紹介させてもらう。この2本の映画に衝撃を受けたからだ。
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今月(2019.11)あのベルリンの壁が崩壊して30 周年

さて、今月(2019.11)あのベルリンの壁が崩壊してちょうど30 周年を迎えた。あの1989年、東欧革命の年。今からちょうど30年前のあの年、東西冷戦の最前線、ソ連の衛星国として共産主義陣営にあった東ヨーロッパ諸国では自由と共産主義からの解放を求める民衆がこぞって立ち上がり、共産主義政権を打ち倒した。本家本元から現れたゴルバチョフのペレストロイカが後押しをする格好で、数年前から始まっていたポーランドのワレサの連帯とハンガリーが先陣を切る。その勢いがそのまま11月9日のベルリンの壁崩壊を実現させ、更に同月17日にはチェコスロヴァキアでビロード革命の成功、続いて翌月にはルーマニアでもあのチャウセスク大統領が殺害され、微動だにしないと思われていた長期独裁政権が倒された。ベルリンの壁崩壊はあの1989年の東欧革命の象徴的な事件となった。

1989年 東欧革命を振り返る

あの1989年の興奮は今でも忘れられない。歴史が変わる瞬間を正にリアルタイムで目撃しているような体験を、生まれて初めて経験し、連日驚きを持ってニュースを追いかけていたものだ。今でも1989年の朝日新聞の圧縮版を大切に保存している。ベルリンの壁崩壊後、何と翌年の1990年10月に東西ドイツが統一、東ドイツは歴史上も地図上もその姿を消してしまった。何とベルリンの壁崩壊から1年もかからなかったという驚くべき早さで統一がなされたわけだ。東西冷戦の終結はそれだけに止まらなかった。何と宗主国であった本家本元のソ連まで東西ドイツ統一から更に翌年の1991年12月に解体=崩壊。あのソ連が完全に消滅してしまった。ベルリンの壁崩壊から何と2年後に起きた出来事である。こうして、戦後50年以上に渡って世界を支配して来た東西冷戦構造が瞬く間に音を立ててなくなってしまった。こんなことが本当にあったのだ。この激動と社会変化をリアルタイムで見聞できた体験は、我が人生の最大の事件とも呼べるものだ。世界の価値観がガラリと変わってしまったのだ。あの時の激動振りには本当に驚嘆させられ、今、思い起こしても興奮が蘇る。

あれから30年。世界はどうなったのか?

それから早いもので30年。世界はどうなったのか?50年以上も続いた東西対立が解消され、世界は平和になれたはずだったのだが、この世界はまた元の木阿弥、いやそれよりも更に悪化しているのではないかと嘆かされるばかり。

東西冷戦の対立の次は、2001.9.11同時多発テロを皮切りにキリスト教世界とイスラム原理主義との対立で激しいテロが世界中で横行。戦争の在り方そのものが抜本的に変わってしまった。米ソの対立がなくなったのも束の間、中国とロシアの台頭著しく、大国家間の覇権争いは全く収まる気配はない。

同じ1989年に天安門事件が起きたことを忘れるな!

ちなみに忘れてはならないのは、あの東西冷戦の終結を導いた東欧革命の1989年、あの同じ年に中国では天安門事件が起きているということだ。ヨーロッパ世界が東西冷戦から脱却し、共産主義を放棄して自由を享受しようとしたメルクマールの年に、何と中国では天安門事件が起きて、自由を求めた学生と市民は虐殺され、その声は封殺されてしまった。これは6月のこと。その頃既に東ヨーロッパでは東欧革命が始まりつつあったのに、どうして中国だけは取り残され、逆行してしまったのか。

いずれにしても、あの衝撃と感動のベルリンの壁崩壊から30周年。これを今日どう評価したらいいのだろうか?

こんな時代背景を踏まえてギンレイホールが2回に渡って、旧東ドイツ関連の映画をチョイスして来た。

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ギンレイホールが取り上げた2本の旧東ドイツ関連映画

「希望の灯り」と「僕たちは希望という列車に乗った」の2本である。

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ちなみに「希望の灯り」は、「誰もがそれを知っている」というあのイランの名匠アスガー・ファルハディによるスペイン映画との併映(2019.10.19〜11.1)。「僕たちは希望という名の列車に乗った」は、中国の文化大革命と中越戦争を舞台にした「芳華-Youth-」との併映(2019.11.2〜11.15)であった。

同時上映でないことに支配人の慧眼を感じてならない

この旧東ドイツ関連映画の2本が同時上映でなかったことに、久保田支配人の慧眼と強い意志を感じないわけにはいられない。

ズバリ2本を同時上映でも良かったのだろうが、この世界中をひっくり返してしまった大事件を振り返り、思い出し、更に現在とこれからに思いを馳せるには2週間では絶対に短過ぎる。せめて丸々1ヶ月はかけて、思いを馳せるべきなのだ。

僕はまんまとその手に乗ってしまった格好だが、このことに心から感謝したい。

素晴らしい映画体験をすることができたばかりか、あの未曾有のベルリンの壁崩壊と東ドイツの消滅、東西冷戦の終結の意味をあらためて考える貴重な機会となった。

2本の映画の紹介は別便で直ぐに投稿する。

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