遂にこの映画を語る時が来た。彼女がその名を知らない鳥たち。

映画の基本情報

製作等:2107年 日本映画 123分

監督:白石和彌

出演:蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李 他

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こんなに不愉快な映画は観たことがない!

最初から身も蓋もないことを言ってしまうが、こんなに不愉快な映画は観たことがないというくらいに気分の悪い映画だった。ギンレイホールで観た映画は本当に素晴らしい作品が多く、今まで百数十本の映画を観てきて、気に入らなかった映画にはほとんど出逢ったことがないのだが、ほんの数本だけ、嫌な映画、不愉快な映画があったのだ。

その筆頭格がこれ。

本当にこの映画は嫌い。実に気分が悪い。この映画の悪口ならどんなにでも書ける。トコトン書きまくってスッキリしたいのだが、それも大人気ない気がする。

主演の蒼井優が酷すぎて、許せない

僕が不愉快なのは、この映画が一部で非常に高く評価され、主役を演じた蒼井優が大絶賛されたことが先ず大きい。別に大した評価もされていないのなら、それはそれでいいのだが、蒼井優はこの映画でこの年のキネマ旬報の主演女優賞を獲得しているのだ。何たるスキャンダル!

日本アカデミー賞ならいざ知らず、天下のキネマ旬報の主演女優賞に輝くなんて、あってはならないことだ。

あの蒼井優、何であんなのが評価されるのか本当に理解できない。

ちなみに映画そのものは、ベストテンの第9位。高過ぎるきらいはあるが、まあまあ妥当なところか?驚かされるのは読者選出ベストテンでは第4位につけていることだ。

えっ!?マジ?ホントですか!?それはありえないでしょ!?みんなどこを観ているんだろうと呆れるばかり。

彼女はこの映画の中で、本当に最低最悪の鼻持ちならない役柄を演じている。そのキャラクターは本当に嫌な造形だが、その役柄が嫌いだから蒼井優が嫌い、何てことではもちろんないのだ。

それは役柄を演じているのだから、彼女に何の罪もない。性格も悪くて、誰とでも簡単に寝てしまう性悪なファムファタールなのに、全く脱がないんだから呆れ果てる。徹底した汚れ役をやっているのに、全然汚れようとしない。女優魂はないのか!?あり得ない。本当に失望させられた。

阿部サダヲは名優で、大好きなのに・・・

このどうしようもない女に徹底的に尽くすのが阿部サダヲ。映画の中でも蒼井優が罵り続けるのだが、本当に汚くて不潔そのもの。でも、心は天使のように美しい無垢の精神の持ち主という設定。

でも、これがまたあまり魅力を感じない。

阿部サダヲと言えば、いよいよ最終回を迎えてしまう大河ドラマ「イダテン」の主役。あのまあちゃんだ。イダテンは視聴率が悪過ぎてもう何だか誰も相手にしていないようだが、実は、僕は非常に高く評価しているのだ。さすがは宮藤官九郎。クドカンはやっぱりすごいよ。中でも出色のキャラクターはもちろん阿部サダヲ演じるまあちゃんだ。

あのバイタリティ溢れる元気男を見ていると、こっちも元気出さなきゃって気になってくる。

「○○するじゃんねぇ」が大好きだ。

ところが、この映画の中にはあの阿部サダヲの良さがコレっぽっちもない。ただひたすら心のねじ曲がったダメ女の言いなりになって遜っているだけ。良く言えば傅(かしず)いているのだが、決してそうではなく、この類まれなわがままな女の言いなりになっているだけだ。これはもしかしたらSとMの関係を描いただけなのか?そう思えてくる程だ。

あぁ、情けない。欲求不満に陥る。

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ネタバレになるので、これ以上は書けないのだが、あんなことをしても、あの女は救えない、変えられない。あんなことは絶対に許せないと僕は断言したい。それに尽きる。

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最大の不満は原作にあり!

嫌な理由は蒼井優に女優魂がまるでないことと、やっぱり一番の不満は、原作のストーリーそのものにある。原作は沼田まほかるの同名小説だという。本当にこんなストーリーを展開して、何を考えているのかと言いたくなる。もちろん表現の自由はあるわけだから、どんなことを描いたって勝手だけど、人生、舐めんなよ言いたくなる。この世界と社会と人生をまるで分かっていない、ただ頭の中だけで、勝手に世界を構築するな!って怒りが込み上げる。

イヤミスにも程がある

最近、イヤミスという言葉が流行りつつあって、沼田まほかるの小説もその典型例だという。「嫌なミステリー」。嫌にも程がある。どうかどうか人の命を軽んじないでほしい。それだけはお願いしたい。

監督は白石和彌。何でこんなしょうもない話しを映画にするんだ?何で蒼井優のあんな中途半端な役作りを認めるんだと、監督への怒りも収まらなかった。ところが、もうしばらくしてアッと驚かされることになる。そして今ではこの白石和彌にすっかり夢中になっている。

「孤狼の血」を観て、その評価が完全にひっくり返るのはもう少し先のことだ。

それにしても、この「彼女が知らない鳥たち」はないぞ!その思いは今でも変わらない。


映画のことを貶すことは滅多にないのだが

映画のことを滅多にボロックソには言わない僕が、声を大にしてここまで否定する映画がどんなものなのか、却って興味を持ってくれる方が多いのではないだろうか?

この映画とこの映画の蒼井優、更に沼田まほかるを支持する人と、トコトン意見交換と議論をしたいと願っている。思い出すのも不愉快なのだが。

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