目 次
気がつけばツツジが満開になっている
今年も気がつけば、何時の間にかツツジが満開になっていた。ゴールデンウイークの前に必ず咲いてくれるのが紫色のツツジだ。
こっちは忘れていて、気にもかけていないが、ツツジはこの時期に決まって咲いてくれる。大きな花で、非常に美しい。良く見ると非常に大輪で、惚れ惚れとさせられる美しさだ。

だが、普段は本当に忘れている。全くその存在を気にしていない。
どこにでもある。この時期はいたる所で咲いている。家庭の庭先だけではなく、道路の縁や公園など、ツツジを見ないところはない。
あんな一日中排気ガスが立ち込めるような場所でも、決まって咲いてくれる。しかもその咲きっぷりも見事の一言に尽きる。
多分、どこでも手入れなどしているとは到底思えない。放置されている。
それでもしっかりと咲いてくれて、春の到来、特に美しい5月の到来を教えてくれる。ゴールデンウイークが近いことを、あの美しい紫色で案内してくれる。
木に咲く花の優等生。本当にツツジはあまりにもいい子過ぎる。
スポンサーリンク
ツツジとサツキの違いはどこに?
ちょっと不思議に思っていることがある。ツツジと呼ぶのが一般的だろうが、サツキというものもある。サツキはもちろん五月(皐月)で、5月に咲き誇る花として、これ以上分かりやすく、明確な名称もない。
だが、このツツジとサツキの違いはどこにあるのだろうか?
それともツツジとサツキは全く一緒のもので、別名として二つの名前があるのだろうか?
両者の違い、使い分けを正確に理解している人は、どれくらいいるのだろうか?
ツツジとサツキは別物
これはネットで調べてみた。ツツジとサツキは別物だと判明した。
サツキはツツジの一種ということなので、ツツジの方が広い概念で、ツツジの中の一部がサツキと呼ばれている。
「春に咲く類をツツジ」、「初夏より咲く類をサツキ」と呼んでいるらしい。
具体的な違いとしては、葉や花が比較的大きくて早く咲き終わるのがツツジで、ツツジが咲き終わる頃に咲く、遅咲きで小枝の多いものがサツキだという。
もっと具体的にいくつかの違いを示すと、
【花の大きさ】ツツジ 約6センチ サツキ 約4センチ
【おしべの数】ツツジ 5本以上 サツキ 5本
【咲き方】 ツツジ 一斉に咲く サツキ バラバラと咲く
【葉の大きさ】ツツジ 約4~5センチ サツキ 約2~2.5センチ
【葉の表面】 ツツジ 柔らかい毛あり サツキ つやつやして光沢あり
色も違う。ツツジは紫色で、サツキは薄い赤(朱色)。
この二つの花の違いは、多くの人が良く理解できるはずだ。
僕は、ここで解説したサツキは、ツツジのいくつかある種類の中の一つだと思っていた。正にそのとおりで間違いはないのだが、あの二つの花の違いがまさか、ツツジとサツキの違いそのものだったとは、全く知らなかった。
スポンサーリンク
我が家にも4本のツツジがある
さて、そのツツジについてである。
元々我が家には古くからツツジがあった。以前は、家の壁面に接するように植えられており、家に悪い影響があると親しい工務店から指摘され、建物から少し離して植え替えた経緯があった。その後、完全に根付いて、今の場所でしっかり花を咲かせるに至っている。3本ある。
もう1本は玄関のすぐ脇に植えられている。直射日光は一切当たらず、日が当たるとしても西日だけという劣悪な環境にあるが、そこでもしっかりと根付いて、毎年立派な花を咲かせてくれる。
ちなみに、我が家にはサツキもある。小さな葉っぱの背の低いもので、まだ全く咲いていない。可愛らしい朱色のささやかな花だ。これがサツキだとは今日まで認識していなかった。
スポンサーリンク
年間通して何もしないのに毎年満開に
この4本のツツジに対しては、年間を通して完全放置。本当に一切何もしていない。完全にほったらかしである。
それでいて、毎年必ず咲いてくれる。こんな花が他にあるだろうか?僕は知らない。
花の咲く前も、咲いた後も、本当に何もせずにほったらかしである。ごく稀に大きくなり過ぎて剪定することもあるが、定期的にやっているわけではない。
1年12カ月365日、本当に何もしない。ツツジに関しては完全に放置どころか、無視し続けていると言って間違いない。
それなのに、しっかりと美しい花を咲かせてくれる。「木に咲く花の優等生」としか言いようがない。
あらためて考えてみると、これは凄いことだ。我が家にある他の花の咲く木は、サルスベリでもサザンカでも、年間を通じて様々な手入れを行っている。かなり手間暇がかかる。
ところがツツジは、全く何もしない。それでいて決まって美しく立派な花を咲かせてくれる。もっとリスペクトしなければならない花だった(笑)。うかつだった。
スポンサーリンク
ありふれたツツジだが、じっくり見てほしい
この気づきを契機に、ツツジをもっと見直してみることにした。「見直し」は、花をもう一度じっくり見返すことも、併せて言っている。
この時期、どこでも咲いている極めてありふれたツツジだが、少しは注目してやってほしい。僕もシャクヤクを観察しながら、今年はじっくりと見させてもらった。
しっかり見ると、実に美しい。
その鮮明な紫色が、混じりけのない純粋な清らかさで、優しく目の中に溶け込んでくる。思わずこちらの心まで美しくなってしまいそう。

紫色の大きな花が、所狭しといくつにも折り重なって咲くと、全体が紫色の巨大な集合体のようになってくるが、その中に爽やかな黄緑色の葉っぱが絶妙なアクセントとなって、紫と黄緑色の何とも美しいハーモニーに、見入ってしまう。



何となく群落と言うか、全体の艶やかさを愛でがちだが、近づいて良く見ると、一つひとつの花も大きく豪華。これを観察しないのは美意識に欠けている。ツツジに失礼だ。


もう何の説明も解説も要らない。
あまりにも見慣れたありふれた花ではあるが、今日はじっくりと我が家のツツジをご覧になっていただきたい。
スポンサーリンク
玄関脇の1本
これが中々孤軍奮闘している。良く見ると本当に実に見事に咲いている。


スポンサーリンク
北側のシャクヤクの前にある3本
玄関側(北側)に植えられたシャクヤクの奥にツツジがある。道路に面した一番の北側ということになる。
写真で位置関係を見てもらおう。




普段はこの手前の「夕映」、「ソルベット」、昨秋植え付けた「楊貴妃」や「波の華」、「火祭」の観察に夢中になっていて、奥のツツジのことなど、ほとんど忘れているのである。





スポンサーリンク
ツツジをもっと大切に愛でていく
今年の春の気づきは、我ながら嬉しかった。あのなんでもないツツジがここまで美しく、素晴らしい花だったとは。
とにかく何もせずに放置しているのに、毎年こんなに健気に立派に咲き続けてくれる。これは家宝じゃないかと思えてきた・・・。
こんな見事な花を季節の単なる定期便のようにやり過ごしていてはいけない、申し訳ないことだと、しみじみと感じ入っている4月の終わりである。
ツツジに最大の賛辞を捧げたい。