【本】の紹介 高坂正堯「現代史の中で考える」~高坂史観を堪能する貴重な講演録。イギリス凋落、天安門事件、ソ連崩壊から洞察する未来像、そして日本 2025年9月30日 高坂正堯を読み続けている 高坂正堯(こうさかまさたか)の本を継続的に読み続けている。初めて読んだのは、このブログでも取り上げた新潮選書の中の1冊「歴史としての二十世紀」であった。れ これが非常におもしろく、歴史好きな僕は思わず興奮してしまったのだった。 高坂正堯は保守の論客として知られ、僕は以前は抵抗があって、高坂正堯... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 アレクセイ・ナワリヌイ「パトリオット」プーチンを追い詰めた男 最後の手記~【後編】愛すべき男ナワリヌイ。生きていてほしかった! 2025年9月15日 【前編】からの続き ナワリヌイは明るく、健気だった にも拘わらず、ナワリヌイはこの過酷極まりない収監中もずっと明るく、健気なのだった。 ホンの些細なことに喜び、感激して、少しも絶望したり、恨んだりすることがない。 例えば以下のような記述が頻繁に出てくる。 「お茶をいれる行為は飲む悦びに勝るとも劣らない。 心理学者なら... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 アレクセイ・ナワリヌイ「パトリオット」プーチンを追い詰めた男 最後の手記~【前編】ロシアの闇の深さに慄然。憤怒収まらず! 2025年9月15日 ナワリヌイ「パトリオット」を読み終えた ナワリヌイの「パトリオット」を漸く読み終えた。ロシアの反体制派の政治家、いや反プーチンの急先鋒と言った方がいいだろうか。あのアレクセイ・ナワリヌイの自伝にして獄中記である。 ご存知のように、アレクセイ・ナワリヌイは殺されている。ロシア当局はもちろん認めていないが、プーチンによって... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史」~世界と人間の見方を劇的に変える衝撃の書!全人類必読の名著【後編】詳細 2025年9月12日 【前編】からの続き 人類史を俯瞰し縦横無尽に語り尽くす 人類の誕生から約200万年、その中でも現在の人類であるホモ・サピエンスの歴史を誕生から21世紀の現代に至るまでの約20万年の歴史をひも解いていく歴史書。 あくまでもホモ・サピエンス、人類という種の歴史であって、ここにはいわゆる歴史の教科書に出てくるような一般的な個... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史」~世界と人間の見方を劇的に変える衝撃の書!全人類必読の名著【前編】概要 2025年9月12日 これはもの凄い本だった 10年程前から巷でかなり話題になっていた本を遂に読み終えた。 ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」である。これは本当にもの凄い本だった。 僕はすっかり打ちのめされて、今ではユヴァル・ノア・ハラリに夢中になって、ハラリの他の著作を、現在も熱心に読んでいる真っ最中だ。 「サピエンス全史」は全世... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 塩野七生「わが友マキアヴェッリ」~マキアヴェッリは突然の失職と挫折の中で「君主論」を書き上げた!【後編】 2025年8月24日 【前編】からの続き マキアヴェッリの強い怒りと絶望に共感 僕にはマキアヴェッリの気持ちが理解できるような気がしている。その深い怒りと絶望に大いに共感してしまう。 人生何が起きるか分からない。フィレンツェ共和国のために誠心誠意奮闘していた男の突然の失職と追放処分。 何一つ落ち度がなかったはずの官僚マキアヴェッリの怒りはど... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 塩野七生「わが友マキアヴェッリ」~マキアヴェッリは突然の失職と挫折の中で「君主論」を書き上げた!【前編】 2025年8月24日 マキァヴェリに大変な興味を持った あるきっかけがあって、あの「君主論」で有名なマキァヴェリ(マキアヴェッリ)に大変な興味を持った。 マキァヴェリが書いた「君主論」の名前を知らない人はいないだろう。「目的のためには手段を選ばない」という権謀術数で知られたいわゆる「マキァヴェリズム」の生みの親、提唱者だ。 ルネサンスが花開... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 出口治明「世界は宗教で読み解ける」~世界の成り立ちと世界紛争の本質に迫る出口さんの渾身の1冊! 2025年8月23日 あの出口さんがすごい本を書いた 久々の出口さんの大作を書店で見つけた。「世界は宗教で読み解ける」というかなり厚めの新書本。これが読み応え十分な力作だった。 病気でリハビリ中の出口さんは、そんなハンディをものともせずに、その後も何冊も本を出版していることは周知のことで、このブログでも紹介してきている。 だが、今回の新刊の... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 出口治明「逆境を生き抜くための教養」~図らずも逆境に陥った人が脱出するための思考術。前向きに生きる支えになる本! 2025年7月29日 1年半前に読んでいた出口治明さんの本 僕が出口治明さんの熱心な読者で、APU(立命館アジア太平洋大学)の東京キャンパスで感動的な出会いを果たしたこともブログ記事で配信させてもらったとおりである。 本書「逆境を生き抜くための教養」は、以前既に読んでいた。本書の最終ページに書きこみがあって、それによると2024年2月9日に... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 高坂正堯「歴史としての二十世紀」~稀代の国際政治学者による二十世紀を俯瞰する伝説の名講演に深く感銘 2024年8月24日 初めて読んだ高坂正堯に魅了された 高坂正堯(こうさかまさたか)の本を初めて読んだ。新潮選書の中の1冊「歴史としての二十世紀」である。 これが非常に興味深く、僕は時間の経つのを忘れて読み耽ってしまった。実におもしろく、興奮してしまったほどだ。 高坂正堯は非常に有名な方なのだが、僕にはほとんど縁がなく、正直言って長い間、ど... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 「中学生から知りたいウクライナのこと」:ロシアからの侵略2周年で迎えたウクライナ最大の危機の今こそ読むべき貴重な一冊! 2024年3月31日 ロシアのウクライナへの侵略戦争から丸2周年 今年の2月にロシアが一方的にウクライナに侵略をし始めてから丸2周年が経過した。このロシアによるウクライナへの侵略戦争は2022年2月24日に始まった。 当初は2週間ほどで首都のキーウが占領され、あっという間にウクライナが白旗を挙げることになるだろうと、攻め入った方のプーチンは... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 小泉悠「ウクライナ戦争」〜今、読まなくていつ読むの!?お馴染みの小泉さんによるウクライナ戦争最前線 2023年2月19日 丸1年が経過しようとするロシアによる侵略 ロシアによるウクライナへの侵略戦争が始まってちょうど丸1年が経過しようとしている2023年の2月中旬である。 ロシアがウクライナに侵攻したのは、昨年の2.24だった。 ホンの数日でキーウ(侵攻開始時にはズッとキエフという馴染みのある呼称だったが)が陥落し、ウクライナがロシアの支... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 プラトン「ソクラテスの弁明」~今こそじっくりと味わい、吟味したいソクラテスの死刑に至る裁判での肉声 2023年2月8日 初めて実際に読んだ「ソクラテスの弁明」 こんなあまりにも有名な古典的な名著を、今まで実際に読んだことがなかった。僕は哲学にも非常に興味があるだけに、忸怩たる思いである。 ソクラテスのことも、ソクラテスが裁判にかけられ有罪となって毒杯を仰いで刑死したことも、そしてその裁判の顛末を弟子のプラトンがまとめたことも、もちろん良... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 グングン惹き込まれるスリル満点の類い稀な対談「戦争が遺したもの」~鶴見俊輔に上野千鶴子と小熊英二が鋭く迫る 2023年1月29日 興奮必至のすごい対談に夢中になる すごい本を読んだ。非常に気に入った。読んでいる最中にも興奮させられるが、読み終わった後にも、ジワジワと満足感が込み上げてくる。 「戦争が遺したもの 戦後世代が鶴見俊輔に聞く」というハードカバーの対談本である。 これは日本の戦後を代表する哲学者、評論家にして知識人であった鶴見俊輔に、こ... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 塩野七生「ギリシア人の物語Ⅱ 民主政の成熟と崩壊」~最盛期を築いたペリクレスとその後のアテナが辿った悪夢に興奮必至! 2022年10月20日 塩野七生の「ギリシア人の物語Ⅱ」に今回も大興奮 塩野七生の「ギリシア人の物語」の第1巻を紹介したのは、今年(2022年)4月、ちょうど半年前のこと。 『塩野七生「ギリシア人の物語Ⅰ 民主政のはじまり」〜時の経つのを忘れてしまうおもしろさ!ペルシア戦争の攻防に興奮必至!』という記事だった。 あの一世を風靡した未曾有の大作... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 ゴルバチョフ「変わりゆく世界の中で」~本書を読んでいる真最中に届いた訃報に絶句。今こそ心して読みたい全人類の必読書 2022年9月29日 ゴルバチョフのことは、大好きだった あのミハイル・ゴルバチョフのことが昔から大好きだった。今、ロシアのプーチンがウクライナに理不尽な侵略戦争を行っている真っ最中で、世界中がロシアとウクライナの動向にくぎ付けとなっている。 このブログの中でも、何度もこのロシアによるウクライナへの侵略戦争のことに触れてきたが、それは今日、... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 小熊英二「生きて帰ってきた男ーある日本兵の戦争と戦後」~シベリア抑留者の軌跡から浮かび上がる戦中・戦後の日本の歩み。冷静に実父の人生を見つめた渾身の感動作! 2022年9月26日 超多忙な中で、4冊の本を読み切った9月 今月(2022年9月)、僕は公私共に非常に多忙な日々を送っていたのだが、そんな中で寸暇を惜しんで4冊の本を読み切った。何とか今月中にこれら4冊のことをブログ記事にまとめ、紹介したいと思っている。読み切った順番通りに紹介していきたい。 先ずは、先日「社会を変えるには」を紹介したばか... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 「ブラッドランド(上下)ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実」ヒトラーとスターリンはウクライナ・ポーランドでどれだけ民間人を殺戮したのか?〜衝撃の歴史書 2022年7月15日 まだまだ続くウクライナへの激しい攻撃 ロシアによるウクライナへの侵略戦争が始まってから、いつの間にか5カ月近く経過した。 圧倒的な軍事力を誇るロシアが瞬く間にウクライナを制圧し、憤懣やるかたなきも、そうなるに違いないと半ば諦めていたのだが、ウクライナ兵の激しい抵抗と欧米各国の軍事支援もあって、ウクライナが想定外の頑張り... 熱々たけちゃん
【歴史と政治】 立花隆「インディオの聖像」〜新刊案内から30年。遂に出版された幻の名著に興奮収まらず!インディオ迫害の実態とそこから生まれた奇跡の聖像 2022年6月16日 新刊案内から待つこと30年。遂に出た! 昨年4月30日に亡くなった立花隆の熱烈なファンとしては、今回出版されたこの本「インディオの聖像」は、夢にまで見た幻の名著だったのである。 待たされること30年。ひたすら待ち続ける中で当の立花隆が昨年(2020年)亡くなってしまった。当然、著者が亡くなってしまった以上、永遠にこの本... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 「同志少女よ、敵を撃て」〜本屋大賞受賞の大傑作!日本の新人作家が描いた独ソ戦での女性狙撃兵の生き様に言葉を失う衝撃作! 2022年4月30日 すごい小説が書かれたものだ 2022年本屋大賞に輝いた話題の「同志少女よ、敵を撃て」を早速読んだ。逢坂冬馬という新人作家のデビュー作だが、その完成度と衝撃度が半端ない。 本書の内容が僕のこのブログ「熱々たけちゃんブログ」でも3本のブログ記事として取り上げているアレクシエーヴィチの「戦争は女の顔をしていない」(前編・後編... 熱々たけちゃん