あり得ない凄いドライフラワー作りに挑戦

いつの間にか6月も下旬となってしまった。我が家の庭からシャクヤクの花がすっかり姿を消して、ほぼ1カ月経過した。

シャクヤクはすっかり遠くなってしまったが、その後はドライフラワーが待っている

とは言っても、今年はドライフラワーは去年までのように量産することは控えて、必要最低限のドライフラワーしか作らないと決心していたことは、何度も書いたとおり。

今年のドライフラワー作りの大方針

① ラテンドールに代表される白い花はドライフラワーにしない。

② シリカゲル法を基本とし、ハンギング法(さかさ吊り)は基本的には作らない。

その一方で、シリカゲル法には果敢に挑戦する。過去に前例のない凄いドライフラワーを作る決心をしていた。

とんでもないドライフラワー作り。シリカゲル法によるドライフラワー作りとしては全く考えられないような、度肝を抜くドライフラワーを作りたい

そのための前哨戦として、ある実験を行って、それは上手く行った。例のアレックスフレミングで試みた方法である。

これが上手くいったので、少し勇気づけられていたが、僕の考えていたドライフラワーは、本当にちょっとありえない発想のものだったので、果たして上手く行くのかハラハラドキドキだった。

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先ずはでき上がりを見てもらう

先ずは先に、でき上がったドライフラワーを見てもらう。

完全に上手くいった。信じられないドライフラワーの誕生だ。これ、全体がドライフラワーなのである。こんなの、どう考えたってあり得ない。

このドライフラワーの正体は何か?

我が家の南側のシャクヤク畑で咲いた「夕映」である。
南側の夕映は茎が2本しかなかったのだが、その2本の茎にそれぞれ5つと3つのしっかりした蕾が付いて、実に見事な花を咲かせてくれたことは、詳細に報告済みだ。

1本の茎に5つの花が同時に開花したゴージャスなシャクヤクを、そっくりそのままシリカゲルに漬け込み、全体をドライフラワーにしてしまったものだ。

5つの花全体を、そっくりそのままドライフラワーにする。もちろん葉っぱも茎も含めてそのまま全てドライフラワーにしようと。

壮大なとんでもない挑戦だった。

こんなことが実際に可能なのかどうか我ながら疑心暗鬼だったのだが、頑張って挑戦してみたのである。

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課題と心配がいくつもあった

これだけ大きなドライフラワーを作ろうとすると、課題と心配はいくつもあった。

当然のことながら、シリカゲルの中では、この5つの大輪が付いたシャクヤクを、横に寝かすことになる。そうしないと膨大な量のシリカゲルが必要になることは前に書いたとおり。

したがって、迷うことなく横に寝かさなければならない。

そうなると一番の心配と課題は、当然のことながら「花が潰れてしまうこと」だ。

5つの花を同時に横に寝かしてシリカゲルに漬け込むため、花そのものの重さも半端ではなく、全体が板のようなペチャンコなものになってしまうのではないか。そんな心配も頭をよぎった。

これが最大の課題だった。

そして横に寝かした場合でも、相当な量のシリカゲルが必要になることは明らかだった。幸い、シリカゲルは去年のものも含めると、かなりの量があったので、その点の心配は無用だった。

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前哨戦は例のダイソーの水切りザル!

先ずは花の下に置いた部分が潰れてしまうという課題。これに対する工夫は、既に試行済みだった。今年やってみたドライフラワー作りの実験だった。

その実験で、見事に成功していた。前哨戦で上手くいった。例のアレックスフレミングで作ってみたシリカゲル法によるドライフラワー作りだった。

そう。あの100円ショップのダイソーで売っていた水切りザルを用いる方法だ。

詳細はその時のレポート「【ドライフラワー報告1】去年までの作り方を全面改め。欠点をどう改善するのか?~シャクヤク栽培写真観察日記:2025㉘」を読んで(見て)いただきたいが、ダイソーで売っている水切りザルを使うことで、花の下の部分が潰れることを防ぐことができることは実証済みだった。

但し、それはあくまでもシャクヤクの花、1輪をシリカゲルに漬け込む際の方法だった。今回の挑戦は、1本の茎に5つの花が咲いている大掛かりのもの。その5輪をそっくりそのまま同時にドライフラワーにしてしまおうという途方もない試みだった。

果たして上手くいくだろうか?

この後は、5つの開花シャクヤクをどうやって同時にドライフラワーにしたのか?その荒業を順を追ってレポートさせてもらう。

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どんな花を対象にしたのか?(作業前)

先ずは、シリカゲルに漬け込む前の姿をしっかりと見ていただこう。僕がどうしても、これをそっくりそのままドライフラワーにしたいと熱望した生のシャクヤクの花の姿である。

左手手前にまだ咲きかけの蕾があるのがわかるだろう。
左手手前にまだ咲きかけの蕾があるのが分かるだろう。この蕾の完全開花を待ち続けたわけだ。
蕾のままドライフラワーにすればいいと割り切れれば、この時点が一番美しく咲き誇っていたのは間違いない。
蕾のままドライフラワーにすればいいと割り切れれば、この時点が一番美しく咲き誇っていたのは間違いない。この時点でシリカゲルに漬け込めばもっと見応えのある立派なドライフラワーが出来たはずだ。

1つは蕾だったので、開花まで待った

室は、上の写真で切り花にした直後の姿を見てもらうと、1本の茎から5つの花と言っているが、一つは蕾のままだった

4つは見事に咲いてくれたが、1つだけは蕾のままだったのだ。この蕾が2~3日後に開花することは明白で、僕は大いに迷った。

このまま4つの大輪と開花目前の蕾1つというのも悪くないが、5輪が一斉に咲くのも滅多に見ることができないため、このドライフラワーにはどうしても5輪に拘った。

その間、花瓶に挿してリビングでゴージャスな花を満喫させてもらったが、肝心の蕾が思いの外、直ぐに開花せず、時間が経ったこともあって、いつシリカゲルに漬け込むか、大いに悩んでしまった。

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結果的にはタイミングを誤ったかも

タイミングをはかりかねていた。

何とか開花してくれたので、これで5輪全て揃ったと喜んだものの、先に咲いていた4輪の元気が少しなくなってきて、パアッと豪華に咲いている様が感じられなくなってしまった

これは結果的に、僕の判断ミスだったと思っている。

一番勢い良く咲いているときにシリカゲルに漬け込むことが、立派なドライフラワーを作る最大のポイントなのだ。

タイミングが難しい。

一番勢い良く咲いているときは、当然のことながらそのまま見続けていたい時期でもあるからだ。

花が最も美しく、勢い良く咲いているときに、シリカゲルに漬けてしまうのは、非常に辛い。そのタイミングが微妙なのだが、今回は蕾の開花を待っていたため、更に遅れてしまった

いよいよシリカゲルに漬け込もうとした際に、全体的に花の勢いが陰ってきたように感じ、花瓶の中の茎を切ったり、様々な対策を講じたが、切り花にした直後の勢いは遂に戻らなかった

一つは蕾のままでも良かったのではないか。後悔先に立たず。これは失敗だったと深く反省している。

下の写真を見てもらうと僕の失敗したという意味は、分かってもらえるだろう。明らかにいくつかの花が開き切ってしまっている。花が痩せてしまった。本当に残念。

シリカゲルを使って、いかに完璧にドライフラワーを作ってみても、浸け込む前以上に立派な花に復元することはできない。それは当然のことだ。

まあ、何とかギリギリセーフだったと言うしかない。これで5つ全てが開花している状態となったことは間違いないので、それで良しとしよう。

例の手前の蕾は開花したが、先に開花していた花々は、少し痩せてしまった。広がり過ぎとなってしまった。
例の手前の蕾は開花したが、先に開花していた花々は、少し痩せてしまった。広がり過ぎとなってしまった。

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作業工程のポイント

いよいよドライフラワー作りの実際の作業である。こんな具合に作業を進めていった。作業工程のポイントを写真に撮っておいたので見ていこう。

シリカゲルに漬け込む過程

先ずは、シリカゲルに漬け込む過程。これが最も重要な過程であることは言うまでもない。

これをそっくりそのままシリカゲルに漬け込む。しかも花が潰れないようにしないとならない。かなり困難な作業。
これをそっくりそのままシリカゲルに漬け込む。しかも花が潰れないようにしないとならない。かなり困難な作業。
例の水切りザルは2つだけ用いることに。一番下になる花が2つあるため、その2つをザルで受ける。それ以外の花はうまくシリカゲルを下に埋め込めば、浮いた状態で漬け込めた。
例の水切りザルは2つだけ用いることにした。一番下になる花が2つあるため、その2つをザルで受ける。それ以外の花はうまくシリカゲルを下に埋め込めば、浮いた状態で漬け込めた。

こんな感じでシリカゲルに漬け込んでいく。花が潰れないように段差を設けて、シリカゲルに埋めていけることが判明した。
こんな感じでシリカゲルに漬け込んでいく。花が潰れないように段差を設けて、シリカゲルに埋めていけることが判明した。

横から見るとこんな感じとなる。花と花との間をできるだけ立体的にする必要があった。
横から見るとこんな感じ。花と花との間をできるだけ立体的にする必要があった。
シリカゲルをドンドンかけていって、全てをシリカゲルの中に埋め込んでしまう。
シリカゲルをドンドンかけていって、全てをシリカゲルの中に埋め込んでしまう。
反対側にスペースができたので、麒麟丸を一緒に漬け込んだ。ザルを使ったものと使わないものとの2本。
反対側にスペースができたので、麒麟丸を一緒に漬け込んだ。ザルを使ったものと使わないものとの2本。
容器がかなり大きく、シリカゲルも大量にあったので、この容器の中には、5本の夕映と2本の麒麟丸が埋められた。
容器がかなり大きく、シリカゲルも大量にあったので、この容器の中には、5本の夕映と2本の麒麟丸が埋められた。

シリカゲルをドンドンかけて完全に埋め込んでしまう。
シリカゲルをドンドンかけて完全に埋め込んでしまう。
最後は一切、花の姿は見えなくなってしまう。この青いシリカゲルの中に、7輪のシャクヤクが漬け込まれている。
最後は一切、花の姿は見えなくなってしまう。この青いシリカゲルの中に、7輪のシャクヤクが漬け込まれている。

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大掛かりなだけに、長めに漬け込んだ

シリカゲル法によるドライフラワーは、シリカゲルに漬け込んでから約1週間で完成するのが一般的だ。10日間も漬け込んでおけば完璧に乾燥する。

だが、今回はとにかく長めに漬けこむことにした。

プラスチックのザルが3つも入れてある上に、何と言っても5つの花とたくさんの葉っぱと長い茎。更に欲をかいて麒麟丸の2本も追加したのだ。

これはどう考えても1週間から10日では乾燥し切れないだろうと判断した。

漬け込み作業は5月16日(金)。取り出したのは6月2日(月)。17日後だった。2週間でも不足かなと考え、17日後に取り出した。

実験で成功を収めたアレックスフレミングは12日後だった。それよりも更に5日間長く漬け込んだわけだ。

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シリカゲルから取り出す過程

前例のない巨大と言ってもいいようなドライフラワーだけに、シリカゲルから取り出す作業も一苦労だった。

慎重に取り出さないと、花がバラバラになったり、付け根からボキっと折れてしまうことも容易に想像できた。

ゆっくりと細心の注意を払ってシリカゲルの中から、巨大なドライフラワーを少しずつ取り出していく。

どんなドライフラワーが現れるのか、ワクワクドキドキ感と、壊れてしまわないかという不安とのせめぎ合い。期待と不安とが入り混じる緊張の時間だ。

一番上の1輪が姿を現したが、ここから全体を引き上げるのは難しい。
一番上の1輪が姿を現したが、ここから全体を引き上げるのは難しい。
少しずつ新聞紙に写していく。
シリカゲルを少しずつ新聞紙に写していく。
かなり姿を現してきた。
かなり姿を現してきた。

まだ油断は禁物だ。茎の下の部分がシリカゲルに埋まっている。
まだ油断は禁物だ。茎の下の部分がシリカゲルに埋まっている。

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見事にできた!大成功!

遂に姿を現した。見事な巨大ドライフラワーが目の前に出現した。

驚くばかりの見事なドライフラワー。僕の夢が叶った瞬間だった。大成功だ!!

シリカゲルから完全に出した直後の姿。
シリカゲルから完全に出した直後の姿。
シリカゲルから出した直後に、紙の上に並べる。ペチャンコになっていない様子が分かるだろう。
シリカゲルから出した直後に、紙の上に並べる。ペチャンコになっていない様子が分かるだろう。

 

上の写真を見ると、枝というか、伸び出した葉っぱが、取れてしまっていたことが分かる。慎重にシリカゲルから取り出したが、シリカゲルの中で、既に取れてしまっていた。

それ以外は、ほぼ完璧にでき上がったといっていいだろう。

5つの花の全体を撮ることはできず、表から撮ったり、裏から撮ったり、横から撮ったり。アングルは異なっているので、写真は多いがしっかり見てほしい。

解説や説明は不要だろう。

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ビフォーアフターで見比べてほしい

僕が願ったとおりのほぼ完璧なドライフラワーができ上がったが、それがどの程度のものだったのか、シリカゲルに漬け込む前の生花と、でき上がったドライフラワーとのビフォーアフターで見てもらおう。

ビフォーアフター写真は対象物が大き過ぎて収められないので、上下で見てほしい。

生花 ビフォー
生花 ビフォー
ドライフラワー アフター
ドライフラワー アフター

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大きな展示ケースに収納した

大成功だった。花もそれほど潰れることなく、かなり丸く仕上がっている。ダイソーの水切りザル作戦は、今回も大成功だった。

5つの花に対して、水切りザルは2つ用いたのだが、これで十分だった。僕の狙いどおりに上手くいった。さすがに嬉しい。

花の形状以上に驚嘆させられたのは、色。かなり生々しい色がそのまま再現された。夕映のあの強烈なピンクが、見事に残ってくれた。

あの1本の茎から咲いた5つの夕映の花が、そっくりそのままドライフラワーで蘇った。

ドライフラワーは、シリカゲル法でも半年は何ら問題なくその姿を保ってくれる。花によっては1年以上持つことも可能で、現に我が家でも去年のドライフラワーが未だに美しい姿を留め、リビングに飾られている。

1本の茎に5つの大輪が咲くという信じ難い見事なシャクヤクが、そのまま変わらぬ姿でドライフラワーに変身してくれた。

これから半年以上、ずっと眺めていられると思うと興奮が収まらない。

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6角形のクリアケースを用意

この巨大なドライフラワーをどうやって収納するのか、これだけの立派なものだと、むき出しで飾るのではなく、ガラスなどの透明ケースで保存したかった

色々と物色しても中々適当なものが見つからなかった。ガラスのドームがベストだと判明したが、それは1万円近くもするもので、さすがにそんな高価なものは用意できなかった。

最終的には6角形のクリアケースに行き着いた。元々ブーケなどを飾る目的のもので、用途もピッタリだった。材質はガラスではなく、ポリ塩化ビニールということで、3,000円もかからなかった。

嵩張って場所を取るのが難点だが、そもそも作り上げたドライフラワーそのものが巨大なのである。贅沢を言ったらバチが当たる。

写真を見てもらおう。こんな感じに収まっている。

6角形の透明ケースを撮影するのは複雑な反射などがあって、非常に難しく、どうやっても僕の技術では上手く撮ることができない

これらの写真で、何とか雰囲気を感じ取ってもらえれば幸いだ。

中々見事に収まっている。これ、ドライフラワーなんです!
中々見事に収まっている。これ、ドライフラワーなんです!
取れてしまった葉っぱは一緒に挿してある。
取れてしまった葉っぱは一緒に挿してある。
何ともゴージャスな感じが伝わってくる。
何ともゴージャスな感じが伝わってくる。

葉っぱの緑も美しい。
葉っぱの緑も美しい。

ドライフラワー作りの報告はまだ続く。次は続編の<第2弾>を直ぐに配信予定。

請う、ご期待!

 

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