4ヵ月振りのシャクヤク観察日記

あの見事に咲き誇ってくれた今年(2023年)の春のシャクヤクの花がすっかりと散ってしまってから早、5ヵ月が経過した。

我が家のシャクヤクの花が散って5ヵ月経ったが、僕が20回に渡って配信し続けた「シャクヤク栽培写真観察日記」は、花が散った後も数回書いており、最終の第20回目の配信日は6月13日だった。

そこから数えると4ヵ月の経過となる。

本当に久々の「シャクヤク栽培写真観察日記」なのだが、もちろん花そのものに関する記事であるはずがない。

一言で言えば、来年春の開花に向けての準備の過程の紹介記事となる。シャクヤクのあの豪華な花の写真などは全く登場しない極めて地味な記事となるが、シャクヤクの年間を通じてのサイクルとしては非常に重要な過程ではあるので、敢えて配信することとした。

手短かにまとめてみたい。

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花が散ってしまった後、シャクヤクはどうなっているの?

ここで読者の皆さんに質問したい。「突然ですが、ここでたけちゃんクイズです!」

シャクヤクのあの目を奪われんばかりの豪華な花は、僕が住んでいる首都圏周辺では一般的に5月のGWが開花のピークであり、GWが終了すると大体が枯れてしまう。

過去の「シャクヤク栽培写真日記」でも触れたが、意外なことに我が家のシャクヤクの花が散ってしまった後でも、花屋さんではシャクヤクの切り花が盛んに店頭に並び、「シャクヤク・フェア」なども開催されていた程だったが、それでも咲き誇っているのは6月の初旬くらいまで。

初夏の訪れと共に、シャクヤクの花は世の中から完全に姿を消してしまう。

で、ここでクイズとなる。

「シャクヤクは、花が散ってしまった後、どうなるのか?どうなっているのか?」

例えば、ひまわりなどは、あの花が真っ黒になって枯れてしまうと葉も茎も萎れ、枯れてしまう。つまり花の終わりが、ひまわりそのものの終わりを意味する。

じゃあ、シャクヤクはどうなのか?

あの豪華な花が散ってしまうとほぼ同時に、青々とした葉っぱや茎も萎れ、枯れてしまうのだろうか?

花は散っても葉っぱや茎はそのまま青々と残る!

実は、シャクヤクはあの豪華な花が散ってしまった後も、葉っぱや茎はそのまま青々と残り、枯れることはない。1~2ヵ月間は残っているというレベルではなく、花が散ってしまった後、その後もずっと葉っぱも茎も青々と茂っているのである。

僕自身もこれを初めて知ったときには、随分と驚かされたものだ。

夏が過ぎて秋になってもまだ葉っぱは青々と茂り続けている。我が家のシャクヤク畑でもずっと茂り続けていた。

10月に青々と茂っているシャクヤクの葉っぱの写真
10月に入ってもこんな感じでシャクヤクの葉っぱは青々と茂っている。
10月に青々と茂っているシャクヤクの葉っぱの写真
10月に入ってもこんな感じでシャクヤクの葉っぱは青々と茂っている。一部で枯れ始めているのも分かるだろう。

葉っぱが光合成で養分を蓄え、地下茎に送り込む

シャクヤクを栽培している僕のような者からすれば、シャクヤクはあの目を奪われんばかりの絢爛豪華な花こそ魅力の全てであって、花が散ってしまった後の只の葉っぱなど、何の魅力も見どころもないので、切ってしまってもいいんじゃないかと思ってしまう。

細かく言うと、花が散ってしまった後で、あの散った花弁の下、花びらの付け根部分に種(種子)ができる。花後に放置しておくとそれが黒々とした種となって、地表に落ちる。自ら勝手に種蒔きをするわけだ。

その種は花が散ってから1~2ヵ月でできる。ところが、その種がばらまかれた後も、葉っぱと茎は青々と茂り続けるのである。

しかもその無用のように思われる葉っぱを伐採することは許されない

何故かというと、その青々と茂った葉っぱが光合成をして養分を蓄えて、シャクヤクの地下茎にその養分を送り込むシステムになっているのだ。

シャクヤクは多年草であり、球根で育つのではない。地下にある根っこ、いわゆる地下茎がどんどんと成長し、毎年放っておいても同じ場所から芽を出してくるのである。

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地下茎を育てるために地上の葉っぱが必要不可欠

このシャクヤクの命とも言える地下茎の充実と成長を地上の葉っぱが光合成をすることで支えているのである。これを知ったときには感動させられた。植物の何とも言えない成長と発展のシステムに感嘆するしかなかった。

したがって、豪華な花が散って、只の葉っぱだけが広々と面積を取って青々と広がっているのは無意味と考えて、その何の見どころのない葉っぱを伐採してしまうと、養分が地下茎に行き渡ることができなくなる。地下茎は発達せずに、翌年に花が咲かなくなってしまう可能性が高い。

そんな驚くべきシステムになっているのだ。

我が家のシャクヤク畑でも、9月の末になっても全ての品種のシャクヤクの葉っぱは青々と茂り続けていた。

こちらは北側の様子。10月に入ってもこんな感じで青々と茂っている。
同じく北側の様子。10月に入っても青々と茂っている。少し紅葉のように色付いている。

10月にはさすがに枯れ始める

その秋に入っても青々と茂っている葉っぱや茎も、さすがに10月に入ると徐々に茶色になって枯れ始める。その時に、枯れ始めた地上の葉っぱや茎を伐採するのがシャクヤク栽培のポイントの一つとなっている。

ということで、僕は先週末の3連休に我が家のシャクヤク畑の地上部分の茎や葉っぱを全て伐採した。今ではシャクヤク畑には何もない。ただ単に畑が広がっているだけの状態となっている。

10月8日(2023年)の日曜日のことであった。

地上部分を全て伐採する

地上部分の茎と葉っぱを全て伐採した。

葉っぱはかなり広がっており、茎も密集しているため、それらを全て地上すれすれの部分でキレイに全て伐採するのは、思っているよりもハードワークである。

とりあえず、剪定鋏を片手にきれいな緑色の茎を地表すれすれの部分から、どんどん伐採していく。

麒麟丸の茎の様子。緑色のしっかりとした茎の写真。
麒麟丸の茎の様子。緑色のしっかりとした茎は非常に瑞々しい。
茎を地表から伐採している様子の写真。
剪定ばさみで茎を地表から伐採している様子。

できるだけ地表すれすれの部分から伐採するのだが、かなり密集している部分もあるため、とりあえず切るだけ切って、伐採した茎と葉っぱ部分を拾い集めて、地表部分から片付けてしまう。

そこであらためて、「邪魔な部分」がなくなったきれいに片付いた地表に近づいて、更に地表ギリギリのところまで短く刈り込むのである。

そこで思わぬものを続々と見つけてしまい、あっ!?と声を上げてしまう

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真っ赤な新しい芽がたくさん顔を出しているのを発見!

何とあのシャクヤクならではの真っ赤な新しい芽がいくつも地表に顔を出しているのを発見した。これには驚かされた。

伐採後に地表から赤い芽を出している写真。
「春の粧」。手前に真っ赤な芽が顔を出している。
新しい芽にズームアップした写真
ズームアップしてみる。

 

特に今年の春に信じられない程の蕾を付けて、たくさんの美しい花を咲かせてくれた例の「麒麟丸」は、密集していた茎を地表から伐採すると、何と本来は地中で育っているはずの地下茎が、地表に迫り出しているのが分かった。これは地下茎が非常に立派に育ってきて、地下はもちろん地上にまで迫り出してきたものと思われる。

麒麟丸の苗が我が家の庭にすっかりと根付き、地下茎が非常に充実してきたことを意味している。

そして迫り出した地下茎の一部から、赤い芽がいくつも顔を出しているのだった。

これには思わず感動してしまった。

麒麟丸の新しい芽の写真i
地表に迫り出している地下茎と周辺にいくつも顔を出している新しい芽。麒麟丸だ。
北側(玄関側)の夕映の新しい芽の写真
北側(玄関側)の夕映の新しい芽。真っ赤な芽が非常に印象的だ。地下茎も随分と地表に迫り出している。
夕映の新しい芽に思い切ってズームアップした写真
夕映の新しい芽に思い切ってズームアップしてみると。
ソルベットの新しい芽の写真
これはソルベット。地下茎が大きく地表に出ている。大きな芽がいくつも付いているのが分かる。
ソルベットの新しい芽のズームアップの写真
思い切ってズームアップしてみる。かなりしっかりした芽が出ている。

今の時期、シャクヤクの苗が売られているが

シャクヤクは今の時期、すなわち9月から10月にかけての時期が、植え替えのタイミングである。ホームセンターの園芸コーナーなどに行けば、この時期に小さなポットにシャクヤクの苗が売られている。

安いものだと400円位から、高くても800円程度で購入できる。

そのポットで売られているシャクヤクの苗には地下茎といくつかの赤い芽が付いている。最低でも2つほどの赤い芽が付いているものが売られている。

我が家のシャクヤクも全てそのようなポットを購入して庭に植えたものだが、どうしてこの時期に芽が付いているのか、少し理解できなかった。

そうか!こういうことだったんだと得心がいった。

今回、我が家の庭でこの時期に発芽を確認して感動させられたのだが、この状態のものを販売しているんだと全ての謎が解けた。

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腐葉土を被せて、飼料も与えた

そうはいっても、これから寒い冬を迎えるわけだ。

ホームセンターなどで購入した苗も、地表に埋め込んで、その赤い芽の上に5センチ程度の土を被せてやる必要がある。つまり芽の付いている部分を地中の5センチ位まで埋め込む必要があるわけだ。

ということで、我がシャクヤク畑でも同じことを実行した。

地表に現れた地下茎や赤い芽の部分に腐葉土などを被せて、地中の中に埋め込んだのと同じ状況にした。新しい芽が剥き出しにならないように保護したわけだ。

更に周囲に油粕などの飼料をまいて、栄養分を与えた。

新しい芽に土をかけ飼料を施したシャクヤク畑の写真
新しい芽に土をかけ飼料を施したシャクヤク畑の全体。
ソルベットにも土を被せて、飼料を施した写真
ソルベットにも腐葉土を被せて、飼料を施した。

 

こうして春の正式な発芽を待つことになる。2月にはあらためて被せた土を破って真っ赤な芽が出てくるはずだ。

今はそれを楽しみに、待つばかりである。4カ月後が楽しみでならない。

 

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