目 次
とうとうあの麒麟丸も開花した!!
5月初旬のゴールデンウィークに、お決まりのように我が家のシャクヤクが一斉に開花し始めた。
見事にこの時期とばかりに咲き始めてくれた。「春の粧」と「滝の粧」を皮切りに「ラテンドール」、更に「夕映」と次々に開花。ゴールデンウィークは、正にシャクヤクの花を鑑賞するための休みとなった感がある。
麒麟丸が開花するかどうかが最大の懸案
そんな中にあっての不安材料は、「麒麟丸」だった。
この「麒麟丸」という品種に僕がどれだけ拘り、その成長具合をどれだけこと細かにレポートしてきたかは、この「熱々たけちゃんブログ」の読者なら、知らない方はいないだろう。
僕はこの麒麟丸に他の品種にはない特別な関心を持って、ズッと観察を続けてきた。
先ずは去年、小さな蕾をいくつも付けながらも、それらが全く大きくならずにそのまま真っ黒になって朽ち果ててしまった残念な体験が、記憶にあった。
だから、今年こそは何としても開花させたいと特別な思いがあったことは間違いない。
で、今年を迎えたわけだが、この写真観察日記で詳細にレポートしてきたとおりで、想像以上に順調な成長を続け、他の品種にはない例を見ない蕾の美しさを満喫させてもらってきた。
蕾そのものが目を引くほど美しいって、他の品種では本当にあり得ないものだった。
大きくなった蕾が中々開花してくれない
ところが、先日の写真日記の第13回目でも触れたように、途中まであんなに順調に美しく成長をし続けていた麒麟丸の蕾が、ある時からパタっとその成長を止め、ほとんど動きがなくなってしまったのだ。
これには焦った。
今年は折角ここまで大きく蕾が育ってくれたのに、結局はまた、花は咲いてくれないのだろうかと。
他の品種と比べると、蕾から開花までの時間が考えられない位かかっている。蕾のままで足踏みをしてしまって、開花しようとしてくれないのである。
まるで開花するなんて嫌だよ!とストライキでもやっているような感じ。とにかく、あそこまで大きく膨らんできた蕾が、どうしても開花しないのである。
本当に不安になった。
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GW後半になって漸く開花した!
それでも、ゴールデンウィークの後半になって、漸く少しずつ固いベールを脱ぎ始めた。
あの美しいながらも硬かった蕾が、ホンのわずかだが、拡がりを見せ始める。蕾の上の方が拡がってきた。
そして固まっていた蕾の外側が花びらとなって、一枚ずつ横に広がってきたのである。開花に向けての動きが漸く始まった。
そして、遂に開花の時を迎える。
まだそれは小さな花ではあったが、実に美しいものであった。
これには感動させられた。
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あまりの美しさに心が震えた
その美しさに言葉を失い、心が震えた。
前から何度も麒麟丸の花は赤と白の絞りだと言ってきた。その紅白の絞りの意味がハッキリと分かった時、そのあまりの美しさに言葉を失った。
心が打ち震えた。
本当に美しい、と手を合わせたくなる思いだった。
今まで我が家で見てきた単色のシャクヤクとは一線を画している。
純白の滝の粧もラテンドールも実に美しいものだったし、ピンク色の春の粧も夕映も非常に豪華な見事な花だった。
だが、この紅白2色の絞りの美しさは異次元のもので、到底他の品種は太刀打ちできない。
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華麗でいてシック。繊細さと野性味を併せ持つ格別な美しさ
麒麟丸の花の特別な美しさを何と表現したらいいのだろうか?
とにかく一目見て華麗な花。それでいてシックなのである。
その紅白の絞りはいかにも繊細で、傷つきやすく、儚いもののように見えながら、妙に野性的でもあり、少し荒々しささえ感じさせる。
相反する要素を複雑に併せ持つ錯綜した美しさにどれだけ見ていても見飽きることがない。
その上、清潔感があって清楚でもある。
実に不思議な花である。
そして、この麒麟丸の花を見ていて惚れ惚れとさせられるのは、一輪一輪、それぞれの花が違うこと。
一輪ずつ花がそれぞれの個性を競い合っている。そんな花がどこにあろうか。
実際に写真を見てもらってお分かりのように、花によって紅白の絞りの濃淡が明らかにあるのである。
赤みの強い花があれば、全体的に白さが際立っている花もある。
それぞれの個性で輝いている。正に芸術品と呼んでいい見事な花だ。
すごい花。この造形に敬服するしかない。
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嵐のような強風と激しい雨が直撃!甚大な被害を受ける
ところが、この殊の外美しい麒麟丸の花、漸く咲いてくれた芸術作品のような飛び切り美しい花に、悲劇が襲いかかる!
開花してくれた直後に襲った嵐のような強風と、激しく打ち付ける雨がいつまでも止まない中、麒麟丸の華麗にして繊細この上ない花は、それらの風雨に到底耐えられなかった。
タイミングは最悪。甚大な被害を受けた。庭に咲いていた麒麟丸の花はほぼ壊滅状態となった。
唖然、呆然。これには思わず涙が込み上げた。
これから更に花が膨らみをまし、いよいよどんな華麗な姿を見せてくれるのか楽しみにしていただけに、残念でならない。
自然の営みは、時にあまりにも無慈悲で残酷である。
幸い、先日切り花にした蕾が、こちらも遅れに遅れて漸く花瓶の中で開花し始めた。こちらを楽しみにするしかない。
次回に続く。