目 次
「RRR」の魅力から抜けられない
「RRR」にすっかりハマってしまっている。僕は本当にこの映画が好きなのだ。
映画の全編は5回観た。3時間の大作なので5回観るということは中々容易なことではないが、全く時間を感じさせない映画なので、僕にとっては何でもない。
もっともっと観たいのである。
映画の中の、例の歌と超絶ダンスの「ナートゥ」部分だけに関して言えば、もう20回どころではない。繰り返し見入っている。それでも更に観たくなる。
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この映画のことを何でも知りたくなる
これだけこの映画のことを気に入ってしまうと、元々が大変な凝り性である僕は、この「RRR」のことについて、どんなことでも知りたくなってしまう。
そのためには何回も繰り返し観ることが必要になるのだが、まだ肝心のブルーレイは発売されておらず、現時点(2023年8月31日)でその発売予告すらなくて、かなりヤキモキしている。
U-NEXTやAmazonプライムでは、48時間レンタルで399円や500円をその都度支払うのも多少不満もあり、両社共にソフトを2,500円で購入することもできるのだが、ここには僕が何よりも楽しみにしているメイキングなどの特典映像は収められていない。
これを購入しても、いずれブルーレイが発売された時にはそれを間違いなく購入することになるので、さすがに重複して買う気にはなれない。
一刻も早くブルーレイの販売を決定してほしい。
パンフレットで渇きを癒す
実は RRRは、今でもまだ劇場で上映しているのだ。長いロングランが続いている。この手の映画は、正に映画館で観なければならないことは重々分かっているのだが、そのチャンスはどうしても活かせない。
映画館に観に行けば、パンフレットも購入できるわけで、その意味でも映画館で観ることは一石二鳥というか、僕の欲求は満たされるのに、どうしても映画館に行けない現状があった。
そこで仕方がない。どうしてもパンフレットを入手したくなり、ネットを通じて定価で入手することができたので、このパンフレットに盛り込まれた情報なり、蘊蓄をお伝えしたい。
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「RRR」のパンフレットについて
「RRR」のパンフレットは大満足という程ではないものの、かなり充実した素晴らしい内容であり、形や大きさ、厚みなど、総合的に判断すると、かなり満足度の高い部類に入る。
内容的には他の映画のパンフレットと比べても、かなり情報量は多く、嬉しい。
「RRR」のパンフレットの基本情報
サイズはA4版。横に開くタイプ。これは僕の好みではないが、言ってみても仕方ない。
オールカラーの22ページ。写真の質は全体的に極めて良好で、お気に入りの写真がたくさん掲載されている。
ちなみにお値段は800円(税込)。
この映画の最初の企画を監督が話した内容は
パンフレットには非常に興味深いエピソードがたくさん書かれていた。
「RRR」の制作予告がラージャマウリ監督自らの口から披露されていたことが判明。
ラージャマウリ監督が今日、これだけの名声を得ることになった決定打は「バーフバリ」の二部作だったのだが、その2作目の「バーフバリ 王の凱旋」のプロモーションのために来日した監督は、次回作を聞かれて、ハッキリと「RRR」のことを発表したらしい。
その段階で今回の主演二人は決定しており、つまりラーマを演じたラーム・チャランと、ビームを演じたNTR Jr.は決まっていて、映画のタイトルの「RRR」は、監督と人気絶頂の二人の名優のタイトルのRを3つ重ねるというものだった。
最終的に「RRR」は、アールアールアールと読むのだが、当時はトリプルアールと呼ばれていた。
インド映画史上最高額の製作費を注ぎ込んで製作するとのことだった。
映画が出来上がる3年前のことだ。
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RRRの意味するもの
やはり問題の核心は映画のタイトルの「RRR」である。
映画の中でも、RRRには二重の意味が込められていることが明確に示されており、そのことは前回のRRRを紹介したブログの中で説明した。
再度説明しておくと、こういうことだ。
冒頭でそれぞれタイトルが付いた3つのエピソードが紹介される。
「story」(物語)のr、「fire」(火)のr、「water」(水)のrである。
「ああ、そうなんだ」と感心していると、最初の一大クライマックスの少年の救出劇の最後にビームとラーマが固く手を握り合った直後に、映画のタイトルロールが現れ、そこで「蜂起と咆哮と反乱と」という日本語訳が浮かび上がってくる。ここは非常に感動的な見せ場の一つだ。
「rise」、「roar」「revolt」の頭文字であることが明確になる。
この段階で二つの意味を持っていることが明らかになったが、それ以外には、ラージャマウリ監督が製作段階で語った監督と2人主演男優の名前から引用してきた話しがあり、更にもう一つ、テルグ語、タミル語、カンナダ語、マラヤーラム語では、「怒り」「戦争」」「血」を意味するRのは入ったそれぞれの単語が、RRRのサブタイトルとされている。
したがって、RRRには4重の意味が込められていて、Rの一文字単位で考えると、実に12種類の意味を併せ持っていることになる。
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ウクライナの首都キーウで撮影されたナートゥ
このRRRの世界的な大ヒットで最も嬉しく思っていることがある。
観る者全ての度肝を抜くあの挑発ダンスの「ナートゥ」が、何と信じられないことだが、ウクライナのキーウで撮影されたものだという。
こんなことを信じられるだろうか。
もちろんまだロシアによるウクライナへの侵略戦争が始まる前に撮影されたのだが。
映画の設定では、ビームが総督の姪と親しくなって、公使館のパーティーに招かれ、案内して来てくれたラーマと一緒に中庭で踊るという設定だ。
その撮影の舞台がインドでもなければイギリスでもなく、何と映画のために作られたセットでもなく、ウクライナのキーウにある実際の宮殿の前で撮影された!
僕はこのパンフレットで、その事実を知って、そのことを一人でも多くのこの映画の熱烈な愛好者や、まだ観たことのない多くの映画ファンにどうしても知ってもらいたくて、このRRRについてネタバレ満載の2回目の記事を書いたというのが本当の経緯なのである。
まだロシアが侵攻を始める前に撮影されたということは、まだ世界がキエフと呼んでいたウクライナの首都で、あのインド映画が撮影されたわけだ。
どうしてキエフが撮影現場に選ばれたのであろうか?
さすがにその理由は、このパンフレットには説明されていないが、確かに彩り豊かで非常に美しい宮殿である。
その戦火に紛れる前のウクライナの首都キエフの実在の宮殿の前で踊るラーマとビームの幸せそうな表情。
踊っているときには敵対し合うイギリス貴族どもとも踊ることへの幸福感を感じて、みんなが一斉に踊り始める辺りが、正にこの見どころ満載の映画の中にあっても最高の見どころになっているあのナートゥが、何とキエフで撮影されていた。
これは類い稀な奇跡ではなかろうか。
この映画は世界中で大ヒットしたが、特にこのナートゥのダンスと歌の部分は映画から切り離され、このシーンだけがYouTubeで配信されて、数億回の再生回数を誇っている。
この全世界の数億人もの人々が夢中になって見続けているナートゥが、何とキエフで撮影され、僕らはあの二人の超絶ダンスと一緒に、キエフのかけがえのない、戦火の影響を全く受けていない幸福な時代のキエフの目撃者となっているわけだ。
この事実を知るだけで、僕は感無量となって、涙を禁じ得なくなる。
すごいものを残してくれたものだ。こんな奇跡が世の中にはあるのだ。
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RRRの音楽について
初めてRRRを観た時には、あの仰々しく何とも大時代がかった音楽に少し閉口したものだ。
この映画はある意味でミュージカルとも呼べる要素が強く、あの超絶的なダンスシーンで世界中を熱狂の渦に巻き込んだナートゥやエンディングのいかにも幸福感に満ちたダンスシーンに限らず、この映画の3時間の上映を通じて、ずっと音楽が鳴り響いている。
かなり派手な仰々しいもの。前のブログでも時代がかった吹き出してしまいそうな全く洗練されていない音楽だと書いている。言ってみれば田舎丸出しのダサい音楽だと思った。
ところが、2回目、3回目と何度も本編を観ているうちに、何となく馴染んできて、今やこの音楽こそ、この映画を盛り上げる大きな要素になっていると確信を抱くに至った。
この映画の音楽を担当したのは、M・M・キーラヴァーニ。ラージャマウリ監督の作品にはいつもこの人が音楽を担当してきた。
音楽のキーラヴァーニはラージャマウリ監督の従兄弟
実は、このキーラヴァーニはラージャマウリ監督の従兄弟なのである。
従兄弟と言ってもキーラヴィーニの方がずっと年上で、従兄となる。
現在(2023.9.8)、監督・脚本のS・S・ラージャマウリが49歳。
音楽のキーラヴァーニは62歳と一回り以上も年上なのだが、ラージャマウリの作品は、その全てをキーラヴァーニが音楽を担当するという凄い絆で結ばれている。
そのキーラヴァーニの音楽だが、元々の映画そのものが映像的に、どこまでも派手で仰々しいものなので、そこに付けられた音楽もやっぱりそういう時代がかったちょっとどうなんだという音楽になってしまうが、あのバカバカしいくらいに仰々しく派手な映像に付けた音楽が、ドビュッシーの音楽のような洗練された静謐なもので、合致するわけもない。
映像が派手なら、音楽もそれ以上にけばけばしく派手に。
あの音楽があるからこそ、あの映像が活かされる、あの映像にはあの派手な音楽がむしろ相応しい、そんなふうに考えている。
その音楽は、ワーグナーがいうライトモチーフが笑ってしまう程、徹底している。
ラーマのテーマ、ビームのテーマなど主要な登場人物毎にテーマ音楽が何種類も用意されていて、ある人物が登場する時にはそのテーマが必ず派手に鳴り響く、というシステムだ。
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「口ドラム」のコナッコルについて
そんな中にあって、僕が一番刺激を受け、ビックリ仰天してしまったのは、たった38秒の音楽だ。
これは音楽というよりも、最初に聴いた時には一体これは何なんだ、例のあのインドの破天荒な民族音楽か?こんなところで使われるのか?と本当に驚かされた。
その音楽は聴く者の血を逆流させるというか、全身の毛が逆立ちするような尋常ではない衝撃に呆気に取られてしまう。
実はこの何ともおかしな音楽というか音は、この映画の中で全く同じものが2回流れることが、しっかりと確認できている。
何と言っても僕はこの映画を5回も観ているかのだから。
先ずは映画が始まると同時、つまりオープニングで流れるのである。
えっ、これ何?一体これから何が始まるんだと得体の知れない不安と、一方で、何か特別なものを観させてくれるんじゃないかと期待に胸が膨らみながらも、とにかく38秒、呆気に取られているうちに、映画そのものに引き込まれてしまうから、その音楽のことは忘れてしまう。
それが映画の最終盤になって、再び忽然と流れてくる。
この衝撃は相当なものだ。
ええっ、これ一度聴いたなあ、何だこりゃあ、ここであれが流れるのか、という新たな驚愕に全身の血が騒ぎ、逆流しそうになる。
そうは言っても38秒で終わってしまうのだが。
そのシーンは、かなり重要な場面ではある。
ビームと囚われの身だったアッリを何とか逃がすことに成功したラームが、イギリスを裏切った罪で、ほとんど食事も与えられず、監獄に閉じ込められている。
傷だらけになり、すっかり長髪となったラーマが遥か遠くに見えるイギリス宮殿を睨みつけながら、懸垂している姿をイギリス総督のスコットが見に来るシーンだ。
そこに流れる一瞬えっ?と驚かされる場違いのような音楽がそれだ。
これは音楽というよりも音の素材。人の声による効果音と呼ぶべきだろうか?
実は、これは南インドの民族音楽なのである。
ドラムのような音を人間の口によって表現する、いわゆる「口ドラム」で、インドでは「コナッコル」と呼ばれている。
民族音楽も非常に好きな僕は、かつて南インドの音楽として、CDでこのコナッコルを聴いた際、あり得ないとビックリし、一緒に聴いていたまだ幼かった息子が腹を抱えて爆笑したことが忘れられない。
それくらいにビックリ仰天の、実に変なものなのである。
それでいて、これを演奏することは容易なことではない。その抜群の突出したリズム感と、エンタテイメント性が不可欠となる。
そんな特別な音楽がラーマとスコットとの最初の対峙の場面、やがて徹底的に全面衝突することになるその前哨戦とも呼ぶべきシーンで使われる、その意図するところ、監督の真意と思いを知りたくなる。
いずれにしても、わずか38秒の音楽が強烈な印象を残す瞬間だ。
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主演の2人の俳優について
ラーマとビームという不死身の英雄を演じた2人の俳優は、日本ではあまり知られていないが、インドでは正に最高の人気を誇る大俳優。
インド映画界最高の人気スターが2枚看板で出演しているわけだ。
これは本当にすごいことだと思う。こんなことを実現できたのは、やっぱりこれまたインドで最高の人気と評価を誇る監督・脚本家のラージャマウリがいたからだ。
だからこそ、映画の製作に入る前の情報としてRRRが話題となった際、その段階では3つのRの意味するところは、この二人の俳優と監督の名前に付いているRだったわけだ。
いずれにしても、この2人のことを僕はすっかり好きになってしまった。
ラーマを演じたラーム・チャラン
僕はこのラーマを演じたラーム・チャランのことを直ぐに好きになった。
あの群衆に立ち向かって行く時の、警察の制帽を被った厳しくも凛々しい姿。
そして、ビームと親友になってからの私服姿もいかにも爽やかだった。
ナートゥを歌うシーンのスーツ姿。特にナートゥのダンスに入る直前のドラムを叩く姿に惚れ惚れとさせられ、ほとんど一目惚れ。
それだけではなく、最後に髪が伸びて、軍神のように上半身裸になって弓を射る姿は正しく神々しいばかり。
本当にいい男。
ラージャマウリ監督が最初に世界的に注目され、今でも人気が衰えない大ヒット作品の「マガディーラ 勇者転生」の主役を務め、これがまた信じられない程のイケメンぶりで、あれを観たら、誰だってラーム・チャランを好きにならないわけにいかない。
パンフレットによると、ラーム・チャランの父親チランジーヴィは、テルグ語映画界の最大の俳優。伝説であり、メガスターということだ。
ビームを演じたNTR Jr.
血縁という意味ではビームを演じたNTR Jr.はそれ以上の存在だ。
NTR Jr.の祖父がすごい人物だったらしい。
パンフレットのプロフィール紹介によれば、祖父はインド映画界で最も有名な俳優の一人であり、アーンドラ・ブルデーシュ州首相も務めた伝説的人物N.T.ラーマ・ラオ。
父も俳優で政治家のナンダムーリ・パリクリシュナという芸能人一家に生まれた。
様々な話題作に出演し、テルグ語映画界最大の人気俳優の仲間入りを果たした。
抜群のダンス・テクニックとカリスマ性かあり、愛嬌がある人柄で抜群の人気を獲得しているとのことだ。
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監督・脚本のラージャマウリについて
これだけの桁外れのおもしろい映画を作ってくれたのは、ひとえに監督と脚本を担ったラージャマウリの突出した力量である。
本当にすごい人だと僕はもうすっかりラージャマウリに心酔している。
これだけの作品を作れる監督は、世界中にもそれほどいないのではないだろうか。
ラーム・チャランの人気を決定付けた大ヒット作の「マガディーラ 勇者転生」の後、世界中をアッと言わせ、震撼させた超弩級の大作にして大ヒットを記録した「バーフバリ」の二部作がある。
今回のRRRの世界中での大ヒットと絶大な支持を受けて、例の「マガディーラ 勇者転生」と「バーフバリ」の二部作、「バーフバリ 伝説誕生」と「バーフバリ 王の凱旋」がテルグ語による完全版としてブルーレイが発売されたのが福音だ。
僕はもちろん直ぐに購入したが、まだ観ていない。
これからの楽しみとして大切に暖めている。
パンフレットには詳細にラージャマウリのことが紹介されているが、何故か本当に不思議なことに写真がどこにもない。
それが残念でならない。
エンディングのダンスには監督も登場
そのパンフレットに写真が一枚もない監督のラージャマウリが、何と最後のダンスに姿がを表して、しっかりと踊っているのである。
これにはビックリさせられた。いかにも監督だろうなという風貌が漂うので、直ぐに分かる。
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若干の不満:ラーマの不死身度
この映画の中で唯一、ちょっとどうかな?これはいくらなんでもと思わせる部分がある。
それはラーマのあまりにも不死身過ぎることだ。
映画を観れば誰だってそう思うに違いない、あまりにもあり得ない描写。
それがいかにも残念である。
毒蛇に噛まれ瀕死状態だったのに
一つは、ラーマが毒蛇に噛まれ、ビームの必死の解毒対応と看病によって何とか一命を取り留めるのだが、そのまだほとんど快復し切っていないタイミングで、宮殿にビームを逮捕しにやってくるシーン。
別れ際に、ビームも明日になればかなり良くなると言って立ち去り、ラームは立ち上がることもできずに、本の山の中に倒れ込んだというのに、その直後に何事もなかったかのように、警官の制服に身を包み、実に颯爽として堂々と登場。
ビームを逮捕するために全身全霊で対決する。
えっ!直前まで毒蛇に噛まれて死にそうだったのに、それはなかろうと。
膝が全くダメになっていたはずなのに
もう一つは、最後のイギリス軍との全面対決のシーン。
ラーマは狭い独房に閉じ込められ、しかも膝を痛めつけられ、ビームが救出した際には全く歩くことができなかった。
だから、彼はビームに肩車をされて、その状態で凄まじいばかりの大バトルを繰り広げた。
このビームがラーマを肩車して目を奪う驚異的な銃撃戦を潜り抜けるのは、この映画の中のクライマックスの一つになっているが、そんな動けなかったはずのラームが、いつの間にか、傷ついた膝はどこに行ったのよと言いたくなるような、完全復活を遂げる。
一応、ビームが薬草をラームの膝に塗りつけるシーンはあるが、薬草を塗ったからといって、その直後から完全に膝が元通りというのは、あまりにもご都合主義だ。
膝は完全に復活を遂げて、全く痛がる風も、庇う風もない。
ここら辺がいかにも残念なところ。
あれだけリアルなアクションシーンを展開しながら、ラームの不死身の肉体については、あまりにもリアルさからかけ離れている。
ちょっとシラけてしまうのだ。せめてもう少しだけ膝を庇うとか、そんなシーンがあればいいのに、これでは漫画になってしまう。
こんなことを指摘するのはヤボというものだろうか?
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日本では知られていないインド独立の英雄達
最後に触れておきたいのは、映画のエンディングのあの身も心も浮き立つ何とも楽しい限りのダンスと歌の中に出てくるインドの英雄たちのこと。
あの最後の踊りでは、死んだしまったキャラクターを含めて(ラーマの父親)、主要キャスターが正動員されるのだが、監督のラージャマウリまで出てきて、最後の盛り上がりに花を添える。
その屈託のない幸福感に満ち溢れた明るくて健康的なダンスと歌に目と耳が奪われてしまうのだが、実はキャストとスタッフが勢揃いして踊る背景に、反英独立運動の英雄たちの肖像が浮かび上がる。
反英独立のインドの英雄というと、日本ではどうしてもガンジーとかネルーになるが、ここではガンジーもネルーも出てこない。
僕のような世界史マニアでも、知らない人物たちばかりだ。
8人の肖像画が紹介され、登場人物たちが手を合わせたりリスペクトしている様がされげなく映し出される。
紙面の都合上、8人の英雄たちの名前も列挙できないが、パンフレットから読み取っていただけるとありがたい。
ブルーレイの発売はいつだろうか
ブルーレイは未だにいつ発売されるか予告すらない。
1日も早いブルーレイの発売をひたすら待ち続ける毎日である。
もっとも、レンタルは既に始まっているので、とにかくこの血の騒ぐ大傑作を、一人でも多くの方に1日でも早く観てもらいたいものだ。