全ての立花隆の本を、写真で公開する。

立花隆を熱愛している。彼が書いたほぼ全ての本が僕の手元に揃っているので、この機会にその膨大な本の数々を全て写真で公開させていただくことにした。

その全容も最後に示すが、先ずはテーマ別に追いかける。これを見てもらえば、筆者の凝り性ぶりもご理解してもらえるのではないか。

では、スタート!

田中角栄とロッキード事件関係

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これが立花隆の最も重大な仕事であったことは言うまでもない。時の総理大臣、しかも巨大な権力を誇った最高実力者を退任にまで追い込んだ一連の田中角栄追求本。「剣より強かった」ペンで書かれた本の全容。事実を丹念に拾い上げて、田中の金脈と犯罪の核心に迫る手法に驚かされる。

手前が有名な「田中角栄研究」。真ん中は田中角栄のロッキード裁判の全記録。立花隆は田中の公判を一度も漏らさずに全て傍聴している。

奥の3冊はかつて「論駁」というタイトルで出ていた「ロッキード裁判批判を斬る」全3冊。

これは当時、総理大臣を退任し、刑事被告人として裁判にかけられながらも、実質的な権力を保持して、闇将軍と呼ばれながら首相の決定権まで握っていた田中角栄に対して、擁護する勢力や田中角栄批判を批判する勢力が日増しに増長する中にあって、それらの田中角栄擁護論、特に裁判で無実を主張する見解に対して、反論を主張し続けた一連の本。

これがすごい。筋の通らない理不尽な主張に対してどう反論したら良いのかを学ぶための最高の教科書、とも呼べる労作だ。

日本の政治に関する批判の書

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「巨悪vs言論」は田中角栄後の政治権力者と政治腐敗に対する17年間に及ぶ糾弾の全記録。主に小沢一郎や竹下登など旧田中派に徹底的な批判を繰り広げる。

手前には総理大臣小泉純一郎への批判、更に「田中真紀子研究」まである。

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同時代を撃つシリーズ。政治を離れての時事問題に関する一連の本。立花隆は作家と言うよりも第一線のジャーナリストだった。

左翼の徹底追及と批判の書

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立花隆の名前を知らしめた代表作の一隅を占める2作。

奥は「中核vs革マル」。立花隆が田中角栄と格闘を繰り広げる前に書かれた立花隆の初期の力作。今の若い人たちは中核とか革マルとか言われても、えっ!?何のこと?と言われてしまいそうだが、あの未曾有の規模で盛り上がった日本の学生運動が終焉した後の70年代前半の新左翼が内部から崩壊していった様を描き出す。70年代前半、新左翼の中核派と革マル派は同じ革命の夢を見ていたにも拘らず、内部抗争に明け暮れ、互いに辛酸極まる血みどろの闘争を繰り広げ、殺し合った。いわゆる内ゲバだ。

その渾身のルポルタージュがこれ。立花隆の多くの文庫が店頭から消えた今も、この本は隠れたベストセラーとして店頭に並んでいる。

手前はこれまた大変な労力を注ぎ込んだであろう「日本共産党の研究」。戦前あれだけ弾圧された共産党に対し少し酷ではないかと思われる程に、共産党の内部に巣食う問題点と負の歴史を客観的資料に基づいて迫る執念に妥協は全くない。

時の権力者田中角栄と右翼に挑み、権力から引きずり下ろし、一方で左の日本共産党の権威をも暴いた最盛期の仕事ぶり。右にも左にも容赦がなかった。

金字塔の「宇宙からの帰還」

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さあ「宇宙からの帰還」だ。

立花隆は当時、田中角栄をペンの力で退任に追い込んだ未曾有のジャーナリストと知られていただけに、この突如現れた政治と全く縁もゆかりもない宇宙飛行士のルポルタージュは日本の論壇と出版界を震撼させたはずだ。大ベストセラー。アメリカのアポロを中心とした宇宙計画に関わった実際の宇宙飛行士たちへの徹底的なインタビューをまとめたものだ。

それが自然科学の枠を飛び抜け、神と進化の話しとなり、やがて深淵な精神のドラマとなるあたり、何回読んでも鳥肌が立ち、深い感動に襲われる。

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月で神に出会ったとして神父になった宇宙飛行士の真意とは。科学とテクノロジーの粋を極めた最前線の科学者がどうして非科学的な神を信じるようになったのか。何度読んでも興奮させられる。

宇宙に関する他の本の数々

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立花隆は「宇宙からの帰還」以来、宇宙飛行士に継続してロングインタビューを敢行している。それらの記録がこれだ。

最先端のアメリカのルポルタージュ

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当時の最先端のアメリカ社会の貴重なルポルタージュ。アメリカのセックス革命とジャーナリズムの研究。立花隆はこの頃、毎年アメリカで数ヶ月単位の取材を敢行、アメリカ社会の新しいうねりを伝えて来た。それが「宇宙からの帰還」であり、この2冊である。

立花隆の初期のベストセラー

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これは初期の立花隆のベストセラー。今でも広く読み続けられている。左端の『「知」のソフトウェア』は、立花隆が仕事をするに当たってのノウハウが開示された素晴らしい本。これはジャーナリストの卵の必読書であり、全ての学ぶ人、学生とサラリーマンのバイブルだ。その威力は今でも減じていないと断言したい。

真ん中の「青春漂流」も素晴らしい一冊。かなり特殊なジャンルや業界で働いている若手や権威者への徹底インタビュー。若き日に大きな失敗と挫折をした経験の持ち主が多く、青春のバイブルとも呼ぶべき本。親しい人にこの本を何冊プレゼントしたことか。

処女作と農協の徹底分析

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左側のエコロジー論が、実は立花隆の処女作。深刻化する環境問題にいち早く取り組んだ立花隆ならではの視点。

右の「農協」は、もちろん農協についての分析書だが、日本の農業そのものの考察になっているのはいかにも立花隆。今の農場もこの頃とあまり変わっていないようで、先行きが本当に心配だ。

立花隆の重要な柱である自然科学もの

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立花隆の科学もの。特に手前の2冊はかなり初期のもの。その時代の最先端を担う科学者に徹底的なインタビューを試みている。これがこのジャンルでの立花隆のスタイルとなった。

力作の「脳死」関連本

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そしてこの「脳死」。

今日では脳死が認められ、臓器移植がごく普通に行われているが(基準は非常に厳格で、その遵守は当然だが)、80年代には脳死と臓器移植について国論を二分して大議論が繰り広げられていた。その中にあって、立花隆はそもそも脳死とはどういう状態で、どうして引き起こされるのかという基本の基本から解き明かし、人間の生と死に鋭く切り込む。立花隆の力作の一つで、夢中になって読んだ日々が懐かしい。

サル学の金字塔

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この「サル学の現在」が最初に書店の店頭に並んだ時の衝撃を忘れられない。何と言ってもこの装丁のこのボリューム。実に分厚な堂々たる本なのだ。人間を知ろうと思ったらサルを研究するしかないとの信念のもと、日本のサル研究の第一人者に徹底的なインタビューを敢行。サルに関する研究最前線が人間の本質を明らかにしていくあたり、立花隆の真骨頂。

立花隆の最大の名著の一つ「臨死体験」

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そしていよいよ「臨死体験」だ。これが立花隆の最もスリリングにしておもしろい本であることを否定する人はいないだろう。

本当に興味深く、興奮させられる本。人が死んだらどうなるのか?あの世はあるのか?魂は残るのか?それを立花隆流の徹底的な資料読み込みと臨死体験を実際に体験した人々への膨大な取材を通じて明らかにしていく。

死の直前まで行って、奇跡的に戻って来た人が一様に見たという天国のような光景と幸福感。幽体離脱。これは現実体験なのか、それとも弱った脳内で起きた現象に過ぎないのか?

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それをここまで追求するのかという異常なまでの執念と膨大な渉猟によって解き明かそうとする。この世に伝わるありとあらゆる神秘体験にまで踏み込んだ空前絶後の名作。少し恐ろしいけれど、これほど読む者を夢中にさせる本も稀で、朝まで徹夜で読むことになりかねないので注意が必要だ。

自然科学ものは無尽蔵だ

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ノーベル医学・生理学賞受賞の利根川進教授への徹底取材。最先端の生命科学の本質に迫る名著。ノーベル物理学賞を受賞した小林誠と益川敏英教授へ徹底取材し、小林・益川理論を解明していく。ここではその内容を説明している余裕がない。

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立花隆は折に触れ、学問が文系と理系とに分断され、相互に全く行き来がなく、交流もない今日の学問のあり方に警告を発してきた。

立花隆は文系の人間だが、その垣根を取り払うべく自然科学や医学ジャンルにも研究の対象を広げ、その最先端の姿を文系人間でも分かるように分かりやすく紹介することに情熱を傾けてきた。自然科学や医学に関する本が様々あるが、この辺りが一番油の乗っていた時期。続々と出版された。

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これもその一環。ノーベル科学賞受賞の白川英樹教授へのインタビュー。2000年にスクープされた旧石器発掘ねつ造事件に関するレポートも。

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自然科学、医学関連書籍は本当に多い。そして立花隆は自身ががんにかかっていることを公表しており、このところがんに関する著作が増えている。

魂のこもった香月泰男の本

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これは日本を代表する画家である香月泰男に関するノンフィクション。素晴らしい労作。香月泰男は終戦後ソ連によってシベリアに抑留され、その悲惨な生き地獄を絵に描いた。その香月のシベリアに関する様々な絵を紹介しながら、シベリア抑留と戦争の悲惨さと、香月の苦悩に満ちた生き様を掘り下げていく。じっくりと読み込みたい名著。香月泰男の絵に圧倒される。

世界を股にかけた旅と思索

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立花隆は世界中を旅して思索した哲学者でもある。この2冊も忘れられない名著。

文学との格闘

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非常に評価の高い長編小説「死霊」(しれい)で有名な埴谷雄高との対談、インタビュー。立花隆は埴谷雄高を尊敬しており、あのインタビューの達人である立花隆が相当に緊張したらしい。

僕が未読の2冊。

映画についても大いに語った

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立花隆は映画も好きだった。あのコッポラの超大作の徹底的解明。さすがの鋭さだ。

最大の労作「天皇と東大」

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さあ、ようやく「天皇と東大」に辿りついた。これはその分量からも、内容、中身からも、立花隆の最大の力作。畢生の大作と呼ぶのがふさわしい。立花隆から最高の著作を一冊だけ選べと言われたら、そんな酷な要求は断固拒否したいが、どうしても言われたら、散々迷った挙句、結局はこの「天皇と東大」を選ぶことになる。

上下2巻の1,400ページ超。明治維新以降、第二次世界大戦、あの太平洋戦争で敗戦を迎えるまでの日本の右翼と軍国主義の歴史と、それに抵抗した人々の生き様を徹底的に検証した傑作。その中で東大、東京帝国大学が関わった全ての事実と驚くべき教授陣の姿が日の下に曝される。副題はズバリ「大日本帝国の生と死」だ。

当時の証言と書かれた文献などの資料の渉猟が凄まじく、開いた口が塞がらない綿密さと緻密さで1,400ページが貫かれている。正に驚異的な著作。

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この厚み、ボリュームを見てほしい。

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僕は発売された当時に上巻は一気に読んだものの、あまりの内容の濃厚さと充実ぶりに、読み進めるのが恐ろしくなって一時この本から離れていたが、約10 年ぶりの昨年の暮れから新年にかけて下巻を一気に読み終えたという経緯がある。全く脱帽の一冊。良くぞここまで調べて書き抜いたと、ただただ感嘆するしかない。

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ちなみにこのハードカバーはもう入手できない。文春文庫全4冊も手薄になっているようなので、興味のある方はお早めに。

東大の客員教授として

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これは東大の客員教授になった立花隆が学生たちと一緒に作り上げた本だ。

インターネットの普及に貢献したのも立花隆だった

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インターネットが普及し始めた頃、世界と社会を一変させてしまうといち早くその重要性を主張したのも立花隆だった。

東大での講義録は貴重な労作

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これは東大での講義用のテキストで、内容は実に多岐に渡り、極めて刺激的な本。これを読めば立花隆の全容が分かる貴重な著作だ。僕も愛読している。

膨大な書評の数々

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立花隆が膨大な量の本を読み、それが猫ビルというビルに貯蔵されていることは良く知られている。その膨大な量の本に関する書評。これまでに4冊が発刊。

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手前の偉容を誇る分厚い本は、その猫ビルの立花隆の蔵書を写真で紹介したビックリ仰天の本。題して「立花隆の書棚」。

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この分厚さを見よ。立花隆のありとあらゆる本の中で最高の厚みを誇るが、大半が高名な写真家による本の写真であり、読む分量はそれほど多くはない。

立花隆をグローバルに紹介した本

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立花隆の全容を特集した「立花隆のすべて」が新旧2冊出ていて、立花隆ファンにとっては正にバイブルだ。彼の仕事の全容を見極めるものとしては、手前左側の「知の現在」も貴重。ご存知NHKによる3ヵ月に及ぶ立花隆が出演したテレビ番組のテキストだ。

更に手前右側「知の旅は終わらない」は、最近出たばかり(2020.1末)の立花隆自身による自分の過去の活動を振り返った貴重な新書。これは嬉しい一冊だ。

最後に発刊された幻の大作「武満徹」

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そして、この武満徹。これは「文學界」に6年に渡って連載された武満徹への徹底インタビューと分析、批評。武満徹に関するありとあらゆることが書いてある本。武満徹の逝去で未完となったが、当然まとめて出版されると信じ続けて何と18年‼️ようやく4年前に出版にこぎつけた。その切実な経緯ははしがきに書かれている。

立花隆の全ての著作の中でも屈指の大作。僕は今、これを時間をかけてゆっくりゆっくりと慈しむように大切に読んでいるところだ。

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この厚みが中身の充実を彷彿とさせるが、その中はこんな感じ。

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何とこれだけのページ数を誇りながら、上下2段組なのである。大変なボリューム。

僕が指揮者をしている合唱団東京フリューゲルを卒団し、今は大阪に戻っているNさんが、発売されて直ぐのタイミングで読み終えたと聞いたことがある。これにはリスペクト。

最近の著作:勢いがなくなってきたのは事実

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このあたりがここ数年の間に書かれたもの。いかにも薄い本が多くなって寂しい限りである。中段左端の佐藤優との対談はさすがにすごい。「知の巨人と怪物」との一騎打ち。

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こんなものも載せておこう。これを立花隆の著作としてカウントしていいのか分からないが、請われて対談をしている。これを加えると96冊となる。

立花隆への批判本にも触れておく

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さて、最後はこんなものも一応載せておこう。これが総論編でも触れた立花隆への批判本である。立花隆の熱烈なファンとしてはあるまじき行為かもしれないが、こんな批判が繰り広げられる程、立花隆が大きな存在だという証でもある。

実は、よく読むと結構肯けることもあるし、意外とおもしろいのである。この批判があって、却って立花隆の偉大さを痛感させられる面もあるのだ。

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これが立花隆の本の全貌だ!!

最後にまた全体を写しておきます。

これ以外にも同じ本を何冊か保存しているので、大変な分量にはなっている。

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