目 次
満開のシャクヤクが雨で壊滅状態に
今年もまたやられてしまった。シャクヤクにとっての天敵にまたやられてしまった。
雨である。強い雨だ。そこに風が加わるとひとたまりもない。
例年、いつもやってくる。しかもシャクヤクが満開に咲き誇っている時に決まって暴風雨がやってくるので、たまったもんじゃない。
去年はもっと悲惨で、今年は恵まれているなと少し安心していた矢先だった。
5月17日の土曜日だった。
この日の雨は相当降り続くとは予測されていたが、台風がやってくるわけではなく、暴風雨との予報もなかったので、それほど心配はしていなかったのだが、結果的には、我が家のシャクヤク畑に大打撃を与え、ちょうど満開に咲き誇っていた花々は壊滅的なダメージを受けた。

この悲惨な被害状況をレポートさせてもらう。
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前日に対策を講じていたのだが
毎年暴風雨にやられていた苦い経験があったため、今年はしっかりと対策を講じることにした。
と言っても特別なことをやったわけではない。
満開に咲き誇っていた花々を、何本か切り花にして、部屋の中の花瓶に挿すことにしたのである。
また、親しくしているシャクヤク好きのご近所さんにもプレゼントもした。
こうして、暴風雨にやられる対象を減らしたというわけだ。
切り花にした花の数々を写真で見てもらおう。






全て合わせると、この日に切り花にした本数は、15本に及んでいる。
残りは多分大丈夫だろう、これらの花々は持ち堪えてくれるに違いない。そう踏んでいた。
ところが、それが致命的な判断ミスだった。
雨は土曜日終日95%の降水確率だったが、雨は夜中のうちから激しく降り続いており、土曜日の朝には、もうすっかり激しい雨の真っ只中だったのだ。
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17日(土)の朝、悲惨な状況を目撃
土曜日(17日)、朝から悲惨な状況を目撃することになった。
甘かった。まさかこんなことになろうとは思っていなかった。
この惨劇も、写真を見てもらえば一目瞭然。大事に育ててきた僕ならずとも、これを見れば大変な衝撃を受けることは間違いないだろう。
雨で頭が重くなって、折れてしまっていた。





シャクヤクはあれだけ豪華な花を咲かせるので、とにかく頭が重い。それを僕は支柱とジョイントを使って支えてやっていることは、前にも書いた。
そのただでさえ重い頭(満開の花)に、強い雨が降り続くとどうなるのか?
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風雨に滅法弱いシャクヤク
我が家のシャクヤクは、ほとんど「バラ咲き」と呼ばれている花弁の詰まった「八重咲き」なので、その花弁の中に雨がしっかり入り込んでしまう。
雨を花弁が吸い込んでしまうと言うべきか。
蕾の時代はあまり問題ない。どうしようもなくなってしまうのは、開花した後である。あの大輪の数え切れない花弁の中に雨がどっぷりと入り込む。
そうなると、もう頭を、つまり花を支えられなくなってしまう。軒並み大輪を下の地面に向けて項垂れてしまう。
ただ項垂れているだけならまだ救済の余地があるのだが、非常にマズイのは、あのジョイントだ。
ジョイントはプラスティックなので、あの固い部品が致命的になる。項垂れている大輪が下を向いて曲がってしまうだけではなく、固いジョイント部分で、ポッキリ折れてしまうことが往々に起きる。

そうなってしまうともうお終い。その折れた部分から切るしかなくなってしまう。
今回、その最悪な事態がいくつも起きた。
これは辛かった。ジョイントとは別に、紐など柔らかいもので支柱と茎とを優しく縛っておくべきだった。支えていたジョイントが、却って致命的は命取りとなってしまった。
これも写真を見てもらうと、状況が良く分かる。
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開花した直後のサラベルナールもボキッ
一番衝撃を受けたのは、昨夜配信させていただいた3年目にして漸く開花してくれたあのサラベルナールが、ジョイント部分で折れてしまったことだ。
我が目を疑った。サラベルナールは2本しか花がない。しかも前日に開花したばかりで、これからドンドン大きく花開いてくれる予定だった。逆に言えば開花直後でまだそれほど大きな花には至っていなかったので、まさかいきなり折れてしまうとは夢にも思っていなかった。
だが、前回のレポートで書いたとおり花弁がギッシリと詰まった最も重量の重いシャクヤクというのは間違いなかったようで、正にその花の重さに耐えかねたということだったのだろう。

これは辛かった。とりわけ頭が重いと分かっていたのなら、もっと慎重に対策を講じておくべきだった。
後悔先に立たず。もうどうしようもなかった。折れた部分から切るしかない。
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前夜の風雨に耐え抜いた花の数々
今回、壊滅に近い状態に陥ってしまったシャクヤク畑の中で、あの風雨を耐え抜いた花々もあった。雨を吸収して項垂れてはしまったものの、折れることのなかった花が何本かあったのだ。
無事だったものの中で、特に大切だったのは、サラベルナールのもう1本の花と、これから開花し始めるかぐや姫の2本だった。
前日に開花したばかりのサラベルナールは、本当に残念なことになってしまったが、幸い開花が遅かったもう1本は、折れずに耐え抜いていた。
そして、これから開花を控えているかぐや姫は2本とも大丈夫だった。






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モーボクエンが思わぬ姿で身を守った
注目に値するのはあのモーボクエンだった。モーボクエンが開花したのは5月15日、木曜日だった。その際の開花速報でも書いたが、昨年、花瓶の中で咲き始めた際、咲いた直後の翌日あたりから枯れ始めた悪い記憶があって、今回の地植え状態で開花したモーボクエンがどうなるのか、非常に注目してしたのである。
去年の花瓶の中での開花直後の枯渇は、特別な事態であったことが判明した。
今年のモーボクエンは開花の翌日から萎れてくることは全くなく、2日後の夜から襲った激しい暴風雨にも良く耐えたのである。
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花が自らの力で風雨を凌いだ
それだけではない。例の「花は呼吸して生きている」ということの見事な例を見せてくれた。
問題の17日・土曜の朝、多くの花が壊滅的な被害を受けた中で、無事に耐え抜いたばかりか、モーボクエンの花は、花の広がりを閉じ、花そのものを小さくして、しっかり風雨を凌いでいたのである。
既にアップした上の写真でも気づかれたかもしれないが、モーボクエンは自らの力で花の形を変貌させて、風雨を凌いでいたことは明らかだった。
鳥が大きな翼を広げて身を守るような、そんな感じに見える。
この写真を見てほしい。


開花して一旦は大きく広がった花が、激しい風雨を受ける中で、その花を閉じて小さくなって、一番外側にある大きな花弁で全体を防護している。風雨を凌いでいる。
他のシャクヤクの花ではここまでのことはない。むしろ朝は、一番大きく広がっているのが一般だ。
モーボクエンはしっかりと口を閉じて、雨が侵入してくるのを外側の花弁がガードしていたのだ。
それが間違いではないことは、雨が止んだ後では、また花が広がっているのを見ても分かる。
この日の夕方に撮影した写真が以下のもの。



本当に驚かされた。モーボクエンに脱帽だ。
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雨の中での救済活動
救済方法と言っても2種類あった。
1つは、救済とは到底評価することができない、ただ、折れた部分で花を切ってしまうこと。ジョイントは花の直下で連結させていることが多いため、その部分で折れ曲がってしまっている。
それを切るということは、花の部分だけと切り取るに等しい。花瓶に挿すことさえできない。花の部分だけをどう飾るというのか。

到底、救済とは呼べないものだ。小さな花瓶やグラスに花部分だけを乗せる、あるいはお碗状の容器に水を張って、そこに浮かべるような対応しかできなかった。
後ほど、写真を見てもらう。
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耐え抜いた花の補強
もう1つは、救済そのものだった。
雨を吸い込んで重くなった花がすっかり項垂れてしまっているのを起こし、ジョイント以外の方法で支柱に連結しなければならなかった。
まだ朝のことである。深夜からずっと降り続いていた雨だったが、これからが雨の本番で、被害を受けるのはむしろこれからだったので、急ぐ必要があった。
というわけで、激しい雨の中、傘をさしながら、折れなかった花の救済活動が始まった。
プラスチックのジョイントの代わりに、荷造りひもで優しく縛ってやるしかなかった。


それを折れなかった全ての花に実行した。
サラベルナールのもう1本。そしてかぐや姫の2本も荷造りひもで結んでやった。



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救済後の庭のシャクヤクの様子
こうして何とか雨中での救済活動が終了した。この後、何とか終日の雨に耐えてほしいと祈るしかなかった。
写真で見てもらおう。




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折れてしまった花が部屋の中を賑わす
折れてしまって、花の直下で切るしかなかった花々は、我が家のリビングの中に飾られた。
といっても花瓶に立てることもできないので、前述のとおり、ミニ花瓶や小さなグラスに花を置いた、そんな感じとなった。
こちらも写真を見てもらうのが一番手っ取り早い。




毎年開花した後で、暴風雨に襲われ、手痛い被害を受けるシャクヤクの花。今年はこの程度で済んでまだ良かったのかもしれない。
この暴風雨に襲われた時点で、まだ開花していない例のかぐや姫の顛末が、今年の最後の開花速報となりそうだ。
これについては次回。
請う!ご期待。