私の退職後、事務長職はどうなったのか?

私は生涯で初めて関わった某自治体病院を、やむを得ず年度途中で退職することになりました。ちょうど1年程前の2025年1月末日付けで退職しました。

年度末まで2カ月を残して途中で辞めるのは本意ではなかったのですが、やむなく退職するに至りました。

問題は、私が退職した後、病院はどういう対応を取ったのか、そこにあります。

1月末という中途半端な時期に辞めてしまったため、もちろん後任が直ぐに見つかるわけがありません。病院と職員に多大な迷惑をかけたことは申し訳なかったと思っています。

年度内に後任が見つからないことはやむを得ないとして、緊急避難的に○○局長が兼務するか、本庁から出向の課長職が事務長職の代理などで発令されても良かったかもしれませんが、それもありませんでした。

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今も事務長を置いていない実態

新年度になっても、某自治体病院では事務長職は任命されず、不在のまま現在に至っています。

某自治体病院の事務長職には、特別の経緯があったことを思い出してください。

1.私は、民間から公募で選ばれたということに注目してください。普通の自治体病院の事務長職は自治体(都道府県・市町村)の事務の幹部が務めることが通例です。

2.したがって、次の事務長職を、私と同様に民間から招聘するのかどうかが最大のテーマとなるはずです。

3.結論としては、私の後任を公募によって民間から招聘することはありませんでした。

4.公募で民間から招聘しない場合でも、全国のほとんどの自治体病院がそうしているように、本庁から事務の幹部を事務長職として出向させることはできたはずですが、それもしませんでした。

結局、某自治体病院では、病院内に事務長職を置かない、事務長職不在でいく、と決定したのでした。

何故、事務長職を置かないのか? 

何故、事務長職を置かないのか?何故、重責を担う事務長職を空席としているのか?

事務長職が急に退職した場合の対応として、考えられる思考プロセスとしては

① 事務長職は重要なので、早急に誰かを選ばなければならない。
② 前任者と同様に、民間から公募を募るのか?それとも民間からの招聘はもう止めて、自治体幹部の出向者にさせるか?

この二択となります。

普通はこのプロセスで考える訳ですが、結局、1年近く経過した今も事務長職を置いていないところをみると、②の選択には至らず、①の段階で、そもそも事務長職はもう置かないと決断したとしか思えません。

実は信じ難い発想と実態が

実は、答えはこのいずれとも違っている可能性があるのです。多分、それが答えとなります。

「事務長職はちゃんといる、空席ではない」。こう考えている可能性があるのです。

事務局長、事務部長、事務長と正々堂々名乗る役職者はいませんが、出向の事務の筆頭課長が事務長職を兼務していて、その課長は普段は○○課長と呼ばれているが、実はこの○○課長が病院の事務長職であり、兼務していると。

そういう意味では、私が退職後もちゃんと後任の事務長職はいるんだよ~!ということなのもかもしれません。

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そんなことで許されるのか?

そんなことが、まかり通っていいのでしょうか!?事務長職を一課長に兼務させて、実はその課長は実際に事務長と呼ばれることもないのです。

これは実際には事務長職が空席であることを意味します。ですが、組織上は一応、筆頭課長が事務長職を兼務していますので、事務長職はちゃんといて、決して空席でもなければ、不在でもない、そういう錯綜した構造になっているのです。

病院の事務長職は、その程度のものだと思われているということでしょうか。

私の公募就任の前も同様だった!?

実は、私が公募によって民間から事務長職として招聘される前も、全く同様だったようなのです。病院○○局という病院の運営とは直結しない部署でありながら、勤務先は病院の事務室の中という本庁からの出向で来ていた課長が、複数名いる課長の中のナンバー1として事務長職を兼務していたらしいのです。

その筆頭課長の上司にして○○局の責任者が、○○局長となります。

百歩譲ってこの○○局長が事務長職を兼務しているのならまだ理解も許容もできますが、そうではありません。あくまで事務長職は○○局長の部下である格下の課長が兼務していたようです。

私は在任中、その真偽を確かめることはしませんでした。普通はあり得ないことだであり、答えが恐ろし過ぎたからです(笑)。

全国の約1,000ある自治体病院の中に、事務長職がいない病院があるとは思えません。

この自治体では、病院の事務長職の必要性を理解していなかったのです。

ですから、私が公募で選ばれて事務長職として入職するまで、どこの病院でも普通はできていることがほとんどできていない、いいえ、できていないというよりも、そのことの必要性すら認識されれていなかったのです。

病院経営とマネジメントがほとんどできていない病院だったのでした。

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事務長職を軽くみてはならない

私は在職の4年間に、病院マネジメントとしてできる限りのものを新規導入したつもりです。まだ十分ではありませんでしたし、ほんの数年でゼロから完成させることなどできるわけもありません。

それでもこの4年間で病院内の様々なことが一新したはずだと多少、自負しています。

私がショックを受けたのは、やはり私の退職後、事務長職を置かないという決断を自治体と病院幹部が決定したことです。

1.民間からやってきて、4年間あらゆる面で新たな取り組み(システム)を導入した大改革に懲りてしまったのか?

2.民間からきた私がこの病院で取り入れた様々な新しい取り組み(システム)を経験し、もう民間から学ぶことは何もない、習得したとでも思っているのか?

もし、そうだとしたら認識が甘過ぎます。私が導入した新規取り組みはそれなりに奥が深いものです。4年間で定着するものでもありませんし、一朝一夕で身に付くものでもありません。

3.前の記事で書いたように、某自治体病院は自治体と病院幹部の重大な判断ミスがあって、経営が著しく悪化し、経営破綻の危機に直面している実情にあります。もしかしたら抜本的な経営改善は現実的には相当無理がある中で、もう匙を投げて、潰れてしまってもいい。その方が自治体の負担が軽減されるとでも思っているのかもしれません。

実質的な事務長職を置かないということは、それくらい考えられない判断なのです。

事務長職を軽くみないでほしいと切に願っています。事務長職抜きで、病院の経営改善と改革が進むわけがないのです。

【教訓と改善策】

自治体病院に限らずどんな病院にあっても、事務長職は不可欠です。ましてや、急性期病院の生き残りがかかるこれほど病院の経営が困難な時代にあって、事務長職がいなくて済むわけがありません。

特に自治体病院ではそうです。事務長職という医者や医療職ではない事務屋でありながら、この厄介な医者や医療職をその気になって働いてもらうためには、どうしても病院の中身と現場、この病院という特殊な職場を良く知っている専門家が事務長職を務めないと経営改善と改革は進みません。

病院という職場に不可欠な事務長職

1.病院で事務長職が果たすべき役割は極めて大きく、事務長職を置かない病院など考えられない。優秀な事務長職を確保することに尽力しなければならない。

2.自治体病院では設置自治体の幹部が事務長になることがほとんどであるが、できれば民間から病院業務と経営に通暁している事務長を招聘することが望ましい。

3.自治体から出向の一課長に事務長職を兼務させることは絶対に避けるべきである。本末転倒も甚だしい。事務長職が課長職を兼務することはあっても、逆はあり得ない。事務長職の役割の大きさを認識する必要がある。

病院経営の専門家としての事務長職を置いていなかった自治体病院がどうだったのか、その実態と私が実際に導入した様々な新規取り組みの紹介と解説を、次回からスタートさせます。

 

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