目 次
- 1 目から鱗の連続のめちゃくちゃ役に立つ本
- 2 この本をどうして読むことになったのか?
- 3 一旦中断後、再び夢中にさせられた
- 4 一体どんな本なのか
- 5 コーチングとはそもそも何なのか
- 6 エグゼクティブにどうしてコーチングが必要なのか?
- 7 「〜のおかげで」と「〜にもかかわらず」の違いをしっかりと理解したい
- 8 エグゼクティブにも欠けている問題行動とは? 「あなたをトップの座から遠ざける20の悪癖」
- 9 どうすればもっとよくなれるのか 対人関係を変え、その変化を永遠のものとするための7つのステップ
- 10 アメリカのプラグマティズム、実用主義の極致というべきもの
- 11 エグゼクティブでなくていい。中間管理職・リーダーは必読
目から鱗の連続のめちゃくちゃ役に立つ本
めちゃくちゃおもしろい本を読んだ。正直に言って興奮が収まらない。これは本当にすごい本だ。
この本はいわゆる自己啓発本である。僕は自己啓発本なんて類いの本はほとんど読まない。
この熱々たけちゃんブログでも、橋下徹や野村克也、出口治明の本などを紹介してきたが、それは僕の中では自己啓発本という類いとはちょっと異なる。
もっと人としての生き様や組織の中で何をやるべきか?組織を変革するための意識改革など、もう少し人の生き方を扱った本だった。
自己啓発本だって、そうだろうと言われそうだが、これはもっと即物的な人間関係のハウツーものみたいな本なのである。
そんな本には興味がなかったのだが、本書はもう大絶賛するしかない稀有な本。本当に目から鱗の連続で、ページを捲る手が、早く次のページをと催促するような滅多に味わうことができない類い稀な本であった。
だから、自己啓発本というのがここまで僕を夢中にさせるのなら、自己啓発本大いに結構。ドンドン読んでみようかなと思った次第。
この本をどうして読むことになったのか?
この本を読むようになったのは、少し特殊な経緯があったので簡単に触れておきたい。
前の職場のトップから、かなり話題になっている本のようだよ、読んでみませんかと薦められたのだ。
その本は、実は薦めたトップ本人が読んだわけではなく、実はAmazonかどこかから取り寄せた中古本だった。本書は今でもちゃんと生きている大ベストセラーであり、どうして部下に読ませるのに、中古本だったのかは不明だ。
入職してまだ日の浅いタイミングで組織のトップから薦められた本というわけで、読まないわけにもいかない。
早速読んでみると、これがめちゃくちゃおもしろい。正にびっくり仰天の本で、僕は大興奮させられ、直ぐに夢中になった。
まだ読み切ったわけでもなかったのに、薦めてくれたトップもそのおもしろさを興奮しながら伝えたことを良く覚えている。
一気に半分ほど読み終えて、あまりのおもしろさに何だかそのまま読み切ってしまうことがもったいなくなり、一旦封印することに。こういうことは、僕の場合、良くあることなのだ。
その先を更に読みたいと思いつつ、他にも読みたい本が山のようにある中で、忙しさも加わり、そのまま時が経過してしまった。
しかもその薦めてくれたトップと、その後、仕事を巡って大衝突をしてしまい、いつのまにかその本も手に取ることがなくなって数年が経過。本の先が気になりつつも、あの許容しがたいトップを思い出すことになるのが嫌で、そのまま封印してしまったわけだ。
そのトップがいなくなり、僕も別の職場で新たな出発をすることになった。これを契機に、色々な本を読み漁る中で再浮上したのがこの本だったというわけだ。
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一旦中断後、再び夢中にさせられた
こうして僕はこの世界最高と言われているエグゼクティブ・コーチのマーシャル・ゴールドスミスによる『コーチングの神様が教える「できる人の法則」』を数年ぶりに手に取ったのである。
あの薦められて初めて手に取った日から一気にちょうど半分までは読んでいた。改めて読み終わった部分のおしまいの方から再スタートして、またまた一気に終わりまで読み切った。後半も相変わらずおもしろかった。
こうして完全に全体を読み終えた後で、あらためて冒頭に戻ってもう一度、頭から読み直した。
いやあ、本当におもしろい。何という本なんだと興奮が収まらない。世の中にこんなに役に立つおもしろい本が存在するんだということに、本当にビックリさせられる。
このおもしろさは読んでいて血が騒ぐ程で、他の本からは絶対に得られない唯一無二のものだと思う。そして、この本を周りの人に絶対に勧めたくなってしまう。そんな魔法のような本なのである。
一体どんな本なのか
あまりにも前置きが長くなってしまった。
この本は世界トップのエグゼクティブ・コーチ、「コーチングの神様」による指南本、コーチングの極意を書いた本である。
著者はマーシャル・ゴールドスミス。GMのジャック・ウェルチ始め、アメリカのトップ企業のエグゼクティブをコーチしたことで非常に有名な人。
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エグゼクティブとはどういう人?
ところで、そのエグゼクティブとはどういう人を指すのであろうか?
エグゼクティブとは、企業の経営管理に直接携わる上級管理職や重役のこと。もっと具体的には最高経営責任者や最高執行責任者といった、会社の経営に直接影響を与えるような幹部を指して使われる言葉だ。
エグゼクティブ・コーチは何をする人?
そんな経営トップに対してコーチングをする人がエグゼクティブ・コーチであり、本書の著書のマーシャル・ゴールドスミスはその中でも世界で最も有名な最高のエグゼクティブ・コーチと言われている人物である。
ここで、素朴な疑問が頭をもたげる。
そんな大企業の上級管理職や重役、役員のような組織の中でも屈指のお偉さんに、そもそもコーチングなんて必要なのか?
もう成功を収めた人たち。そんな人たちに何をコーチングするんだろうと。
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コーチングとはそもそも何なのか
JCF(日本コーチ連盟)によれば、コーチングは以下のように説明されている。
コーチングでは「答えを与える」のではなく「答えを創り出す」サポートを行います。 この考え方は「答えはその人の中にある」というコーチングの原則に基づいています。(中略)
このようにコーチングは「答えはその人の中にある」という原則のもと、 相手が状況に応じて自ら考え、行動した実感から学ぶことを支援し、 相手が本来持っている力や可能性を最大限に発揮できるようサポートするための コミュニケーション技術なのです。
こんなコーチングが必要とされる人は、これから社会や組織で成長が期待される人、一般的には若手になされるのが普通だろう。
エグゼクティブ・コーチはそうではなくて、もう既に組織内でも社会的にも成功を収めた限りなくトップに近い幹部になされるコーチングである。例えば、身近なところで言えば、民間会社、それも良く知られた大企業の副社長や専務、常務などに対して行われるコーチングというわけだ。
そんなものが本当に、果たして必要なのだろうか?
どうしてそんな人に、今更コーチングが必要なのか?意味があるの?と思われるに違いない。
それが、必要なのである。マーシャル・ゴールドスミスは必要だと考え、それを長年に渡って実践してきた。実際にマーシャル・ゴールドスミスは世界的大企業の経営幹部80人以上にコーチングをしてきたという。
エグゼクティブにどうしてコーチングが必要なのか?
これが実は、おもしろくておもしろくて、たまらなくなってしまう。
繰り返すが、相手は功成り名を遂げたいわば大成功者である。そんな成功を収めた人が、今更何をコーチングしてもらうというのか?
むしろ多くの人にとって見習うべき存在。模範的な人間なのではないか?一体何をコーチするというのだ?
ところがである。彼らにもコーチングが必要なのである。
こんな成功者にも人間関係を巡っては、実に様々な多くの課題があって、それを直さないことには、更なる成功は望めないと言うのである。
「〇〇だから、〇〇のおかげで、ここまで成功できた」ではなく、「〇〇であるにもかかわらず、ここまで成功できた」と考えなければならないと迫るのである。
この発想は、めちゃくちゃおもしろいし、それ以上にめちゃくちゃ恐ろしい!
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「〜のおかげで」と「〜にもかかわらず」の違いをしっかりと理解したい
ゴールドスミスはこう言う。「過去の成功が、更なる成功の障害になると」。そして「過去の成功がさらなる成功を妨げることを学ぶ」必要性を説く。
どういうことなのか?
成功した人は、自分のその人間性やキャラクターなど、自らの資質のおかげで今の成功を獲得できたと考えがちだ。この人間性やキャラクターのおかげで、今日の成功を得られたと。
「私は成功した。私はこのように行動する。したがって、私が成功したのはこのように行動したおかげだ!」と。
マーシャル・ゴールドスミスは、それは違うと指摘する。そんな問題や課題があったにもかかわらず、幸運なことに今のポストを得て、成功を収めることができたんだと。
その人の現在の成功は、その人がそれだけ素晴らしいものを持っていたおかげではなく、様々な課題や問題行動が有ったにもかかわらず、幸運にも成功を収めることができたのだから、更に上を目指そうとしたら、今のままではダメで、その課題と問題行動を直さなければならない。
それを過去の成功が、更なる成功の障害になると言うのである。
自分の長所だと信じていたことが、実は短所だったという衝撃。正にコペルニクス的転換を迫られることになる。
本書の原題は、What Got You Here Won’t Get You There である。
日本語に訳すと「今までのやり方では、これから先はうまくいかない」となる。
マーシャル・ゴールドスミスは、本書の中で、私の言いたいのは、「私たちの行動のおかげで導かれた成功と、私たちの行動にもかかわらずもたらされた成功との違いについてだ」と明言している。
「できる人の法則」とは随分と違う(笑)のだが、正にそういうことなのである。
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エグゼクティブにも欠けている問題行動とは?
「あなたをトップの座から遠ざける20の悪癖」
マーシャル・ゴールドスミスは、職場の対人関係を悪くする問題を明らかにし、そのうちのどれがあなとが該当するかをチェックする方法をつまびらかにする。そして「あなたをトップの座から遠ざける20の悪癖」について非常に詳細、かつ具体的に紐解いていく。
20の悪癖について具体的に解説する前に、ゴールドスミスは「やめることの大切さ」を先ずは強調する。
これも非常に明快だ。「もっといい人になる」目標を達成するためにはもっと簡単な方法がある。ただ一つ、「いやなヤツであることをやめる」ことだと。
そして、具体的にリーダーシップの行動にかかわる、日々の許しがたい、嫌な行動だとして20項目の「悪い癖」を上げている。
その全容は、本書を読んでのお楽しみとさせていただくが、その一部を列挙しておこう。
1.極度の負けず嫌い
3.善し悪しの判断を下す
4.人を傷つける破壊的コメントをする
5.自分がいかに賢いかを話す
9.情報を教えない
10.きちんと他人を認めない
11.他人の手柄を横取りする
12.言い訳をする
13.過去にしがみつく
14.えこひいきする
16.人の話しをきかない
20.「私はこうなんだ」といいすぎる
本書では、これらの悪い癖について具体的にその内容を詳述される。そして、「それを治すのが人を味方につける最良の方法だということ」示していく。
これがとにかくおもしろい。目から鱗の連続となること間違いない。ゴールドスミスが過去に携わった実際のエグゼクティブたちの実例が紹介されるのだが、これがまためちゃくちゃ、納得できるケースばかりで、本当に引き込まれてしまうこと間違いなしだ。
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どうすればもっとよくなれるのか
対人関係を変え、その変化を永遠のものとするための7つのステップ
後半は、正にその20の悪癖を直していくための方法論が縦横無尽に駆り尽くされる。
フィードバックを筆頭にする7つのステップが、また実に納得できるものばかり。また一部を列挙すると
1.フィードバック
2.謝罪する
4.聞くこと
5.「ありがとう」という
難しい理論や精神論が展開されるのではなく、具体的な実例を紹介しながら、あくまでも実際の行動のハウツーものとして実態に即して具体的に語られるのが、ちょっと信じられないくらい新鮮で感動的だ。
アメリカのプラグマティズム、実用主義の極致というべきもの
ここには難しい人間の本質論や哲学はまるでない。小賢しい哲学とは全く無縁なのだ。
かつて高校時代という若き日に読んだデール・カーネギーの「人を動かす」と全く同じ路線。あの究極の進化系がここにあると言っていいだろう。
これはアメリカならではの哲学「プラグマティズム」、実用主義の極致というべきものだ。
人間の本質論が深く語られるのではないが、どんな難解な哲学書よりも、具体的な人間関係のあり方について、深く大きな示唆を与えてくれる。
そして、これを積み重ねていくことによって、思いもかけない深い真実にたどり着くのかもしれない。そんな気がしてくるのである。
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エグゼクティブでなくていい。中間管理職・リーダーは必読
マーシャル・ゴールドスミス自身が、本書の扉で書いている。『「次のレベル」の上がりたい、もっとよくなりたいと願う成功しているリーダーへ』と。
この本を読むのはエグゼクティブである必要は全くない。ある程度の立場に立ってリーダーシップを果たさなければならない全ての中間管理職とリーダーには、この本から得られるものは無限だと断言したい。
僕はもちろん、エグゼクティブではない。当たり前のことだ。
だが、現在も比較的大きな組織でそれなりの職制を与えられている経営幹部の一員ではある。この本に書かれていることは自らの身を振り返ってみるに、本当に恐ろしい限りであった。できるところから変えていこうと決心し、少しずつだが実践しているところだ。
ここには「リーダーの能力を飛躍的に伸ばす実践コーチング法」の全てが語り尽くされている。
様々な組織と家庭において、即刻役に立つ実用本である。現代人、組織人、家庭人。すなわちありとあらゆる人間にとって必読の書と言わせていただきたい。特にリーダーにとっては必読の1冊だ。
本書はアメリカでも、2007年に出版された日本でも大ベストセラーになったという。むべなるかな。それは当然のことだろう。
とにかく騙されたと思って読んでほしい。これ以上おもしろく、役に立つ本は滅多にない。今こそ、変わるチャンスだ。このチャンスを逃さないでほしい。
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コーチングの神様が教える「できる人」の法則 [ マーシャル・ゴールドスミス ]
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