著名な経営学の権威が書いた分かりやすい寓話

ある知人のお気に入りの1冊として教えてもらったのが本書である。僕は作者のことは前から知っていたのだが、この短い作品を読んではいなかった。

早速読んでみた。おもしろい。素直に感動し、非常に役立つと痛感させられた。一人でも多くの読者に読んでいただいたいと紹介する次第。

この「カモメになったペンギン」の作者はジョン・P・コッター。あのハーバード・ビジネス・スクールの世界的に有名な経営学の権威だ。特にリーダーシップ論の権威者として著名な方。

こんな経営学のカリスマとも呼ぶべき世界的な学者が、ほとんど絵本と言ってもいいような非常に分かりやすい寓話を発表し、これが世界中で広く読まれ、親しまれていることには驚かされる。

紹介した本の表紙。まるで絵本のよう。
中々印象的なかわいい絵だ。
表紙に付けられた帯にこの本のお勧めのポイントが載っている。
この本の帯にはやっぱり注目してほしい。こう書かれると読んでみたくなるというもの。

大いに楽しめる組織改革とリーダーシップに関する寓話

これは結構楽しめる。全体でわずか100ページほどの直ぐに読めてしまう簡単な寓話である。

本の裏帯に様々な人から届いた熱いコメントが紹介されている。
この裏帯のコメントも参考になりそうだ。

まるで絵本のように頻繁にかわいくて美しい挿絵が出てくる上に、文章は簡潔で分かりやすく、かなりじっくりと丁寧に読んでも2時間もあれば読み切ることができるだろう。

本文の中の挿絵の紹介。1枚目。
印象的な絵。
本文の中の挿絵の紹介。2枚目。主役の5羽の姿。
コロニーを救った5羽のペンギンたち。

作者のコッター自身は45分で読めると言っているが、さすがにそれは無理(笑)。そもそもそんなに急いで読む必要もない。楽しみながらゆっくりと読んでほしい。それでも2時間はかからないだろう。

本文の中の挿絵の紹介。3枚目。まるで絵本のようだ。
まるで絵本そのもの。

ここには組織の変革、改革とリーダーシップの進め方が盛り込まれているのだが、そんな難しいことは差し置いても、物語そのもので十分に楽しめ、感動できる内容となっている。

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どんな物語なの?

非常に分かりやすい話しとなっている。北極の氷山で暮らすペンギンたちのコロニーの中で、ある日、氷山が溶け始めていることを発見したメンバー。このまま放置すると、いずれ大惨事を引き起こすことになると心配し、コロニーのリーダーの一羽に報告。半信半疑だったそのメスのリーダーは証拠となる現場を一緒に見に行って、実際にそのことを確認する。

リーダー議会にこの問題を諮ることになったが、喧喧諤諤の議論が噴出し、簡単に信じてもらえない。強硬に反対するものもいる。そんな状況の中、様々な知恵と行動を通して、リーダー議会の幹部連中とコロニー全体に、今置かれている危機的な状況を伝え、救済策を講じていこうとするのだが、そう簡単にことは進まない。

5羽のペンギンが中心になって、コロニーの仲間たちを導いていく過程を描き出す。

どうやったのか?ペンギンたちは果たして救われるのか?

先入観なしで物語に没頭してほしい

これはリーダーシップ論の世界的な権威が書いた寓話なので、もちろん、彼が提唱しているリーダーシップの在り方が、ペンギンたちを通じて、擬人的に描かれることはもちろんだ。

だが、僕は先ずはコッターのリーダーシップ論を全く無視して本書を読んでもらうことをお勧めしたい。

物語を楽しんで、その内容を良く理解した上で、自ずから浮かび上がって来るテーマである組織の変革とそれを推進するリーダーシップ論を、後で考えた方が理にかなっている。絶対にそうすべきだ。

物語を存分に楽しんで、その結果からコッターの考える理想的な組織変革とリーダーシップを理解する。そうあってほしい。

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コッター教授について

あらためて作者のジョン・P・コッターを紹介しよう。

リーダーシップ論の世界的な権威で、ハーバード・ビジネス・スクールで最も有名な学者の一人。

経営学の最高の指導者はマネジメントの生みの親であるピエール・ドラッカーであることは言うまでもない。コッターはそのドラッカーに次ぐほどの存在だと言えばご理解いただけるだろうか。

そしてあの松下幸之助とも非常に交流があったことでも知られる知日派でもある。

マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学卒業後、1972年からハーバード・ビジネス・スクールで教鞭を執る。

1981年、当時としては史上最年少の33歳で正教授に就任。

ハーバード・ビジネス・スクール松下幸之助記念講座名誉教授。コッター・インターナショナル共同創設者。

主な著書に『企業変革力』『ジョン・コッターの企業変革ノート』『リーダーシップ論』『幸之助論』など。

特に主著である『企業変革力』は『タイム』誌により「企業経営に最も影響を与えた25冊」に選出されている名著だという。

この「カモメになったペンギン」もコッターが書いた寓話として、非常に広く知られているものだ。

コッターの主張とリーダーシップ論

コッターはドラッカーが主張したマネジメントとリーダーシップの違いを主張したことで有名だ。変革の時代に必要なものはマネジメントではなく、リーダーシップであるという。 

「リーダーシップ」と「マネジメント」は別のものであり、従来は「マネジメント」が取れていることが経営において重要視されたが、現代のような変革の時代において必要なものは「リーダーシップ」だと説く。

そのリーダーシップにおける最も重要な要素を「リーダーの掲げるビジョン」であるとした。

またリーダーに必須の能力として「対人態度」と「高いエネルギーレベル」を上げている。
変革を起こすためには、組織内外にいる多くの人間とコミュニケーションを交わし、関係を維持しなければならない。その意味で、内向的な人間がリーダーになることは難しい。変革を起こそうという強烈なエネルギーがないと、組織を率いてビジョンを達成することはできないと説いている。

中々興味深い。

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変革を実現するための8段階のプロセス

コッターは変革を実現するための8段階のプロセスを提唱した。

組織を変革させるために必要とされるのが「リーダーシップ」であり、その「変革」は8段階のプロセスによって実行して行くことが望ましいとしている。

この8段階のステップは、本書の中でも、ペンギンの物語が終わった後に、「変革を成功させる8段階のプロセス」として分かりやすく説明されている。以下のとおりである。

【準備を整える】

1 危機意識を高める

2 変革推進チームを作る

【すべきことを決定する】

3 変革のビジョンと戦略を立てる

【行動を起こす】

4 変革のビジョンを周知撤退する

5 行動しやすい環境を整える

6 短期的な成果を生む

7 さらに変革を進める

【変革を根づかせる】

8 新しい文化を築く

これを踏まえてペンギンの物語に戻ってみると

この8段階のプロセスをペンギンたちの物語に当てはめてみたい。

物語としても非常に良くできているが、5羽のリーダーたちが推し進めたことが、全てコッターの8段階のプロセスに当てはまることは一目瞭然だ。

この物語は、冒頭から終わりまで、完全にこの8段階のプロセスに沿って展開されていることが実に良く分かる。

逆に言えば、コッターの理論を読んでも抽象的で、今一つイメージしにくい場合には、このペンギンたちの物語を思い出してもらえばいいということになる。

そもそもこのペンギンの物語をどうして手に取ったのか。そして読んでみようという気になったのか。

多くの読者は実際にはコッターのリーダーシップ論を知った上での、つまりはこのペンギンたちの物語は、正にコッターのリーダーシップを学ぶための寓話としているに違いない。

そうだとしたら、このペンギンたちは正に生きた教材となるに違いない。

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先ずは5人のリーダーの選抜から

これが最も重要にして、最も困難なことでもあることは直ぐに分かりそうだ。

それぞれの組織にあって、フレッドは誰?アリスは誰?

ルイスのような立派はリーダーはいるのか?そして皆に愛される癒し系のバディは?知識の豊富な教授のジョーダンは不可欠だが、どの組織にも存在するのだろうか?

先ずはこの5人がいないと回っていかない。8段階のプロセスでも、「変革推進チームを作る」のは8段階の2番目に位置付けられており、これが最初にないと後は何も回らないように思える。

5人の優れた人材探しが先ずは最初の関門となりそうだ。

更に「企業変革力」を読んでみよう

この寓話はコッターの主張する「改革・変革を進めるために必要な8段階のプロセス」を分かりやすいペンギンのコロニーに当てはめたものだ。

8段階のプロセスについては、コッターの主著である「企業変革力」に詳しく書かれている。

ペンギンの物語に興味を持って、もっと詳しくその哲学と真髄を知りたいと思われた方は、是非とも「企業変革力」を読んでほしい。僕自身は、早速読み始めている。

紹介した本書と同じ著者の本格的な専門書を並べて写した写真。
この難しそうな経営学の本を、絵本のような寓話にしてそのエッセンスを伝える。
紹介した本書と同じ著者の本格的な専門書を2冊まとめて、立てて写した写真。
立てるとこんな感じ。いずれは両方読みたいところ。

この「企業変革力」は有名な経営学、特に組織変革とリーダーシップ論の名著であるが、それほど難しくはなく、かなり読みやすく、かつ分かりやすい。読了後にこのブログで近日中に紹介する予定である。

騙されたと思って、先ずはペンギンの物語を読んでほしい。直ぐに読めるし、何よりも大きな気づきと学びがあるはずだ。そして何よりも大いに楽しめ、感動すること必至である。

 

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