次のレポートも実際にはほぼリアルタイムで書かれていながら、山のように撮り貯めた写真の整理等が追い付かず、今日まで遅れに遅れてしまったものだ。
シャクヤク写真日記の⑯とセットとなるレポートである。
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目 次
GW最後の悲劇を乗り越えたシャクヤク
GWの最後となった土日の2日間(月曜の午前中まで続いたので3日間)が大変な荒天となったことで、開花最盛期を誇っていたシャクヤクと、今、正に一斉に開花したばかりのシャクヤクを直撃した話しは詳しくレポートしたとおりである。
深刻な被害を受け、開花全盛期を誇ったものも、新しく一斉に開花し始めたものも、一様に被害を受け、ほぼ壊滅状態に陥った。
困ったのは、GWが終わり、平常の仕事が戻ってきて、僕は普通に仕事をしに遠方まで出勤しなければならなかったことである。
つまり、ほぼ壊滅状態とはいうものの、その詳細な実態は把握すること自体が至難の技だったのである。
というのは、強い雨は日曜日の夜になっても止まなかったばかりか、翌日の月曜日になってもズッと降り続いていたからだ。
僕はGW明けの月曜日の早朝に、激しく降り続く雨の中を出勤した。
その時点までの被害の様子は強い雨の中、時間をなくて確認できなかったし、雨はその後も引き続き昼前まで降り続いたので、最終的にどうなったのか、帰宅するまで分からない。
帰宅は、早くても夜の8時前なので、その時点では真っ暗になっていて、確認することはできないのであった。
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先ずは結論から
細かいことの顛末は以下、詳細にレポートさせてもらうが、結論的には壊滅したものと絶望していたが、実際には、一部のシャクヤクはしっかりと生き残り、あの暴風雨を乗り越えて、その後も見事な花を披露してくれたのだ。
これには本当に感動させられた。
先ずはその写真を先に見てもらおう。そしてひと先ずは安心していただきたい。シャクヤクの生命力の強靭さを実感してほしいのである。
暴風雨が収まりどうなっていたのか?
これらの写真を見てもらうと本当にホッとするが、それを確認するまでには、それなりにドラマがあった。あらためて、不安と絶望の中からのレポートに戻る。
8日の月曜日の夜に帰宅して、とにかく気になって仕方がなかったのは、もちろん3日間に渡った暴風雨の被害の実態だ。
と言って、もちろん既に真っ暗な状態である。薄暗がりに多少様子は分からなくもないが、やはり暗くて分からない。
そこで、懐中電灯を照らして確認することにした。
これである程度は分かる。
一番役に立ったのは、iPhoneのカメラをストロボをたいて撮影することだった。
iPhoneのストロボの威力はかなりのものだ。シャッターが降りる時に周囲を一瞬パッと明るく照らし、昼間の写真のように明るく鮮明に撮影することができた。
で、その結果。
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かなり持ち堪えたくれたシャクヤクたち
特に驚かされたのが、こちらの玄関側の夕映だ。
え~っ!?と思わず歓声を挙げてしまう。
そして更に近づいて、再びピカッとさせると、このとおり。
麒麟丸もかなりボロボロになりながらも、持ちこたえていてくれた。
iPhoneで映し出された写真の数々に驚嘆させられた。
3日間も続いたあんな暴風雨の中でも、見事に持ち堪えたシャクヤクがそれなりにあったのである。
これには感激である。
多くのシャクヤクが激しく傾き、寝てしまっているものまであったが、緊急措置として暴風雨の中で、僕がクリップを使って支柱に固定したものが、大輪の頭の部分を大きく項垂れながらも、何とか持ち直してくれているものも少なくなかった。
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玄関側の夕映は大健闘
一斉に開花した直後を暴風雨に直撃された玄関側の夕映。
前回の日記で書いたとおり、正に一斉に開花しようとするそのタイミングで、運悪く暴風雨に直撃された。最悪のタイミングであった。
一斉に花開こうとしていた夕映のはいきなり激しい暴風雨に見舞われ、開花すると同時に強烈な風雨によって、薙ぎ倒されたわけである。
あの強い雨の中で、激しく傾いた花を片っ端から切り花にしてしまったのだが、とにかくこの夕映は蕾の数が非常に多かったので、何とかいくつかの花が持ち堪えてくれたのだ。
その暴風雨に耐えた夕映が、iPhoneのストロボ写真の中で、見事な花を咲かせている。大輪の花をこれでもか、と言わんがばかりに咲いてくれている。
感動した。本当に胸が熱くなった。
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暴風雨の時点で蕾だったソルベット
あれだけ楽しみにしていたソルベットのことを、ここ数回に渡った開花便りでは全く触れていない。
それは当然だ。
ソルベットはまだ開花していなかったからだ。
9つの全ての品種の中でも発芽もその後の成長も一番遅かったソルベット。
ゴールデンウィークとなってもまだこのソルベットだけは蕾のままで、開花にはほど遠かったのである。
それは僕にとっては大いなる楽しみでもあり、喜びでもあった。
多くの品種が続々と開花する中にあって、まだ蕾のままのシャクヤクは、当然開花そのものもズレることになり、先に開花したシャクヤクが一斉に散っていく中で、これから開花してくれるわけだ。
栽培する側としては、それだけ長期間に渡ってシャクヤクの花を鑑賞し続けることができることになる。
そういう意味では、今年、南側のシャクヤク畑のシャクヤクと北側・玄関側のシャクヤクとで、成長のテンポがズレていたことは、むしろありがたく、非常に嬉しいことでもあったのだ。
夕映は開花した直後に暴風雨に襲われたが、ソルベットはその時点ではまだ蕾の状態だった。
それはラッキーだったと喜ぶことなかれ。実に運が悪く、暴風雨の真っ最中の3日間に開花をすることになったのだ。
あの嵐のような暴風雨が蕾を刺激して、開花を促したのではないか、と僕は考えている。
それくらいに奇妙な現象だった。
蕾だったソルベットがいきなり開花して
まだまだ硬い蕾だったのに、何故か暴風雨の直撃と同時に開花することになった。
全くあれよあれよという間のことだった。
この激しい暴風雨を蕾のままでやり過ごしてくれれば被害を免れると期待していたのも拘らず、機を同じくしてこのタイミングで開花してくれるとは。
というわけで、あのソルベットも開花直後に暴風雨の洗礼を浴びることになった。
でも、幸いなことに何とか持ち堪えてくれたのだ。
この写真をもう一度あらためて見てほしい。
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昼間確認するために水曜に半休を取って帰宅
以上は、雨の上がった月曜日の夜の観察状況である。
iPhoneのストロボ写真によって、耐え抜いてくれたシャクヤクがあったことを確認することはできたとはいうものの、所詮は闇の中での確認。
しかも暴風雨で激しく傾いていることもハッキリして、これは時間をかけて救済しなければダメだと痛感させられた。
何としても、昼間に緊急対応する必要があった。
しかも次の週末は、また雨の予報となっていた。
ということで、急遽、シャクヤクの救済をするために、平日に休みをもらうことにした。
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被害甚大なシャクヤク畑だったが(23.5.9)
一方の成長の早かった南側のシャクヤク畑のシャクヤクたちは暴風雨の襲来以前から満開の状態だったので、それは無残な姿を晒すことになった。
それでも、何とか持ち堪えた満開の花があった。
その姿をハッキリと確認できたのは、半休をもらった水曜の午後のこと。
被害の甚大さと併せて、それでも耐え抜いたシャクヤクがあったことを思い知らされ、少しはホッとできたのである。
暴風雨に耐え抜いた2本のラテンドール
あの大輪のラテンドールが殊の外、健闘し大輪のままで持ち堪えたものが2輪もあった。
これは実に感動的な姿。これを見た時には思わず涙が込み上げてきて、長い時間、ズッと眺めていた。
麒麟丸もギリギリ耐え抜いたか
そして健闘を讃えたいのはあの麒麟丸だ。
元々麒麟丸は細かい花びらが特徴なので、暴風雨に襲われて、その花はかなりチリチリバラバラとなって無残な姿を晒したが、花そのものは中型ではあって、ラテンドールのような大輪と比べると風雨の影響は意外にも少なかったとも言える。
これは実際の姿を写真で見てもらうのが一番だろう。
それともう一つ麒麟丸が耐え抜くことかできたのは、やっぱり蕾が多かったということ。
暴風雨に襲撃された時点で、まだこれから開花を迎える蕾が残っていて、それらがそのまま持ち堪えてくれた。
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サラベルナールの悲しき運命
サラベルナールのことも全く開花便りでは触れてこなかった。
ソルベットと同様に咲いてくれなかったからだが、何と言ってもこちらは去年植え付けたばかりの新しい株。
今年の開花は最初から諦めていたのだが、蕾が一つだけとはいうものの、少しずつ大きくなってきて、開花してくれそうな気配だった。
背が低いのも気になっていたが、そのサラベルナールがこれまたこの暴風雨直撃の最中で開花。
ところが本当に悲しき運命。
あんなに背が低くて、首もそれほど伸びなかっにも拘らず、後はサラベルナールは土曜日の強風に勝てなかった。
すっかりと曲がり込んでしまって、完全に項垂れてしまい、しかもその状態で激しい雨にも晒されて、その中で開花を迎えたのだが、暴風雨の威力はいかにも破壊的で、まともな花にならなかった。
そうはいっても、最後に息絶え絶えの状態で、ギリギリその花の姿を残してくれた。
快晴の天気ならばきっと大輪に成長してくれた可能性が高かったのだろうが、花が大きく開花する前に打撃を受けて、この後しばらくしてそのまま茶色に変色し、枯れてしまった。
本当に残念であった。
というわけで、僕は楽しみにしていたサラベルナールの立派な花を、その美しい姿を見ることでできなかった。
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玄関側の2つの品種は大健闘、見事な花を披露
あの暴風雨の中で、比較的しっかりと持ち堪えてくれたのは、やっぱり玄関側の夕映とソルベットだった。
火曜日の夜のiPhoneのストロボによる撮影で、思いの外、耐え抜いてくれたものが多かったのを確認できていたが、昼間にどのような姿を披露してくれるのかは想像もつかなかった。
しかも今、正に開花の時期を迎えようとしているタイミングだけで、こういうときにはほんの一日だけでも、すっかりと姿を変えてしまうことも決して珍しいものではない。
期待に胸を躍らせながら明るいうちに帰宅する。
すると、衝撃を受ける程、見事な花を披露してくれたのだ。
実にゴージャスな夕映
これはもうゴージャスの一言。あの暴風の中で、相当数の花を切り花にしてしまったにも拘わらず、残った蕾は暴風雨を耐え抜いて、実に見事に満開の大輪を見せてくれた。
これはもう写真をみてもらうしかない。
期待以上の美しい姿を見せるソルベット
ソルベットは、暴風雨の中で、一時はすっかり傾いてしまって倒れそうになったが、まだまだ完全に開花はしていなかったことが幸いした。
暴風雨が収まってから、ようやく本格的な開花となり、期待どおり、いや期待以上の美しい姿を披露してくれた。この品種は、開花しながらドンドン姿を変容させていくようで、複数の花がそれぞれ別の姿を垣間見せて、興味が尽きない。
蕾によって開花時期が少しずつズレることで、鑑賞する側としては、同時に様々な姿を見ることができて、他の品種にはない特別な楽しみを満喫することができる。
短期集中連載のシャクヤク写真日記、実はこれで終わりではないのです。
まだ数回続く予定です。
次回をどうぞお楽しみに。