先ずはじめに。予告の実行

僕が橋下徹の比較的最近出版された2冊の新書に衝撃を受けた話しは既に報告したとおりだ。前回先にブログで取り上げたのは2冊目の方、橋下徹としては後に出版された「交渉力」の方だった。この熱々たけちゃんブログでの紹介が、本の出版の順番と逆になっていることをお詫びしたいが、元々は今回紹介する「実行力」が先ず出版され、僕は直ぐに読んで強い衝撃を受け、橋下徹嫌いから一転して橋下徹のファンとなってしまって、第2弾として出版された「交渉力」を出版と同時に購入し、直ぐに読み終えてそのままブログに取り上げたわけである。

前回の「交渉力」のブログの中でも、改めて最初に読んだ「実行力」を正式に紹介すると予告しており、その約束を果たすのが今回のブログというわけだ。

最初に読んだ「実行力」を続けて直ぐブログに取り上げても良かったのだが、僕の性分から言ってもそのまま記憶をたどりつつ紹介するのは少し憚られた。そこで、もう一度、改めてしっかりと「実行力」を読んでみたのである。そして2回目の読了を受けて今回、お約束どおりに「実行力」を紹介させてもらうものである。

これが表紙。橋下徹のぶれなさがこの精悍な顔つきからからも伝わってくる。橋下徹の「君主論」とは良く名付けたものだ。

絶対に読んだ方がいい橋下徹の「実行力」

こうして1年振りに読み直してみた橋下徹の「実行力」。改めて凄い本だと感嘆を禁じ得なかった。既に1回読んでいるんだからと、記憶をたどるようにザッと読んだということでは決してない。むしろ実態は逆で、一度読んだことをできるだけ忘れて、あくまで初めて読むつもりで丁寧にゆっくりと読んでみたのだ。

やっぱりおもしろい。抜群におもしろい。僕は2回目も初めて読んだ時と同様に、終始一貫してワクワクドキドキしながら一心に読み込んで飽きることがなかった。大いに満喫し、深い満足感を味わった。

そして、この本は是非とも一人でも多くの人に読んでもらいたいと改めて強く思った。「絶対に読んだ方がいい」と断言したい。

裏帯に掲げられた目次のタイトルが参考になるだろう。

橋下徹とは思想・政治信条を全く異にしているのだが

前回の「交渉力」を紹介する際にも再三書いたが、僕は橋下徹とは思想信条、政治信条を全く異にしている。大阪都構想には賛同していたのだが、大阪維新の会も、日本維新の会もあまり好きではないどころか、嫌いと正直に言っておこう。2冊の新書を読んですっかり橋下徹のファンになった今でも、大阪維新の会、日本維新の会を支持するつもりは毛頭ない。

そんな僕なのだが、橋下徹が大阪府知事として、また大阪市長として取り組んだ事業と自治体の首長としての取り組みに対してはエールを送りたいと考えている。目指すところの社会と世界は全く異なるのだが、その自分が理想として描く社会や世界を実現するために、現状を打破して、既成観念と先入観に囚われることなく大改革を進めていく姿勢は、実は全く一緒なのかもしれない。自分の夢の実現に向けてエネルギッシュに全力で取り組む姿勢に、大変な親近感を感じてしまうのだ。

僕はとても橋下徹のような大きな実績を残した人間ではもちろんないわけだが、この手の人間には思わずエールを送りたくなってしまう。その実行力と潔さ、裏表のない正直さは本当に素晴らしいと思うし、うらやましい限り。できれば多少なりともあやかりたい思うのである。

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橋下徹は何よりも実行の人。その原動力と手法の全てが明らかに

そんな僕がうらやましいと圧倒される橋下徹の空前絶後の抜群の実行力の原動力というか源泉のようなもの、手法と秘訣が全て明らかにされるのが本書である。だから読んでいて、おもしろくてたまらない。ワクワクドキドキが止まらなくなる。

僕は橋下徹は過激な人間だが、裏表のない実に正直な人間だと思っている。そんな正直な橋下徹が大阪府知事・大阪市長として活躍した8年間の政治家生活を振り返って、その実行力についてありのままに書いた本書が退屈なわけがない。

そもそも8年間の府知事・市長として実行してきた業績そのものが、今まで誰一人として成し遂げることのできなかったビックリするものばかりという事実に加えて、その未曽有の実績をどのように実現してきたのか、その具体的な手法と方策を詳細かつ具体的に示してくれており、本当に勉強になるのだ。これは本当に第一級の現場的な教科書と呼んでいい。

この本で橋下徹が一番言いたいことは

橋下徹は実行力に拘ってきた政治家であった。この本の「はじめに」の冒頭、つまりこの本の書き出しの言葉はこうである。

「僕がリーダーとしてこだわってきたことは「実行力」です。」

正に実行力にトコトン拘った政治家。確かに8年間の政治家時代に橋下徹が実際に実行してきたことの数々には驚かされる。

また「はじめに」のエンディングにはこう書かれている。ここに橋下徹が一番言いたかったことが凝縮されている。

「あるべき姿を説くこと、もちろん必要。しかし、今求められているのは、そうしたあるべき姿に近づくために、手を動かし、足を動かし、脳みそに汗をかいて「実行していくこと」ではないでしょうか。
 本書が少しでもその助けになれば、望外の喜びです。」

冒頭からこれを読んで喝采を叫びたくなる。本当にそのとおりだと痛感させられるからだ。僕は日頃からあるべき姿に拘る方で、その重要性をいつも強調しているのだが、本当に大切なことは、そのあるべき姿に近づくために具体的に何をするのか、である。アクションプランを実際にどうするのか。それが一番大切なことだ。冒頭から橋下徹にハッキリと言われ、改めてその本質に目覚めさせられた。これを聞いても、この本を読んでみようという気にならないだろうか。

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先ず強調するのは「本当に実行すべき課題をどうみつけるのか」

僕が本書に非常に魅力を感じる大きな理由として、「実行力」を身に付ける前に、そもそも一番大切なことは、「何を実行するのか」という実行する中身を議論していることだ。何でもかんでもただやみくもに実行すればいいということではない。実行しなければならないその内容を先ずは見極めること。もっと現実に即して言えば、組織のトップとして何を実行するのか、それが先にある。その認定が重要だと。

そこで本書では第2章が「本当に実行すべき課題はどう見つけるか」となっている。そうなのだ、先ずはそれが肝要だ。自らが取り組むべきテーマを見つけ出すこと。どこに問題と課題があって、それをどうすべきなのか

〇リーダーは、「小さな問題点」には目をつぶり「大きな問題点」をみつける
〇リーダーの仕事は、部下が気づかない大きな問題点を見つけること 

など心を動かされるタイトルが続々と出てくる。

先ずはこの部分をしっかりと読んでほしい。今の僕にとっても最も大切なことだと心に響くのである。

橋下徹が主張する「仕組み」の作り方は

課題と問題点を見つけ出して、いよいよその解決策を実行していくことになる。

その実行力を実際にどう身に付けて、結果を出していくのか。それは本書を読んでもらうしかないが、この橋下徹の「君主論」とでも呼ぶべき本書の中で橋下徹が再三強調することがあるので、そのエッセンスだけは披露しておきたい。

この「実行力」にはサブタイトルがある。それが『結果を出す「仕組み」の作り方』である。

本書の第4章でそのノウハウが明らかにされる。タイトルはこうなっている。『実行のための「ビジョン作り」と「チーム作り」』。ここが本書のハイライト、最高の読みどころだ。大小様々な具体的なノウハウがこれでもかとばかりに披露される。それが橋下徹自身が実際に取り組んできた体験談として紹介されると、これはもう驚嘆エピソードのオンパレードのようにもなってしまうのだが、ポイントは実に分かりやすく丁寧に説明してくれているので、実際のノウハウを身に付けるためにも大いに役に立ちそうだ。そういう意味では本書は実際の具体的な問題解決にも即戦力となる貴重な本だと断言したい。

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最後は実らなかった大阪都構想の実行プロセスの紹介で終わるが

橋下徹が正に自らの政治生命を賭けて臨んだ大阪都構想の実行プロセスの紹介は実に興味深く、読み応え十分だ。

結局、わずかに及ばず大阪都構想は実現しなかったばかりか、それが原因となって大阪市長を退任しただけではなく、約束したとおりに政治家生活にも終止符を打った橋下徹だが、この大阪都構想という発想は実に雄大な構想で、おもしろい。興味が尽きない。

それを実現させるために橋下徹とその仲間たちがどれだけの周到な準備を進めたのかという点は、結果的には実らなかった構想であったが、過去に全く前例がない大事業に新たに取り組むに当たって何をしなければならないのかを学ぶに、これ以上に参考になるものはない。

昨年11月(2020年11月)に再度、挑戦した大阪都構想でも僅差で実現できなかったほどの困難を極める事業ではあったのだが、それに向けての準備と取り組み方は記憶に留められるべきだと強調しておきたい。

「交渉力」よりは多少厚いとは言ってもたかだか266ページの新書に過ぎないが、ここに書かれた内容は実に濃密で、参考になることばかりだろう。
どうかこの新書をじっくりと読んでいただきたい。

 

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