【クラシック音楽】の紹介 バッハ「ヨハネ受難曲」:ガーディナー3回目の新録音〜鬼気迫る衝撃的なコロナ禍での空前絶後の名演! 2022年4月27日 鬼気迫る衝撃的な名演奏 発売されたばかりのガーディナーが指揮したバッハの「ヨハネ受難曲」の新録音を聴いてみた。仰天させられた。 ものすごい演奏だった。鬼気迫る空前絶後の名演に衝撃を受け、戦慄が走った。聴いていて、何度も何度も鳥肌が立ち、空いた口が塞がらなくなってしまう。 ガーディナーの新盤の基本情報 ガーディナーは古楽... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 塩野七生「ギリシア人の物語Ⅰ 民主政のはじまり」〜時の経つのを忘れてしまうおもしろさ!ペルシア戦争の攻防に興奮必至! 2022年4月23日 塩野七生の作品はかなり読んできた このブログでは一度も取り上げたことがなかったが、塩野七生の本は今までかなり読んできた。僕にとって立花隆や米原万里、吉田秀和のように心から心酔し、好きで好きでたまらないという程の作家ではないが、それでもかなり熱心に読んでいる一人である。 塩野七生といえば何と言っても膨大な長さの「ローマ人... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 亀山郁夫「大審問官スターリン」〜スターリン側から描く芸術家たちへの迫害と大粛清の真実!スターリンの真相に迫る亀山の集大成 2022年4月18日 スターリン目線で描く大粛清の真相 これはまた何とも興味深い本があったものだ。「大審問官スターリン」。亀山郁夫によるスターリン研究の金字塔というか、集大成と呼んでいいものである。 既にこの熱々たけちゃんブログで取り上げた「磔のロシア」の姉妹書と言うべき作品であり、この両者は表と裏という関係と呼んでもいい。 今回の「大審問... 熱々たけちゃん
【映画】の紹介 「燃ゆる女の肖像」愛の芽生える瞬間と永続性を描く究極の愛の物語。繊細な表現に心が震える!~いま観るべき熱々映画 2022年4月11日 何の事前情報もなく観た映画が、実は 僕の中で「観なければ」と課題となっていた映画を漸く観ることができた。1昨年に公開された映画であり、とっくにディスクにもなり、レンタルもされていたので、その気になればいつでも観ることができたのだが、何故か観ないまま大切にしてきた映画。 ようやく観ることができた。「期待どおり」の素晴らし... 熱々たけちゃん
【漫画】の紹介 手塚治虫「ボンバ!」:これぞ手塚ノワールの極み。あまりの暗さと陰惨さに衝撃必至!〜手塚治虫を語り尽くす⑮ 2022年4月9日 「手塚ノワール=黒手塚」について 久々の手塚治虫は「ボンバ!」を取り上げる。この「ボンバ!」は実に暗く、怖い作品である。 手塚治虫には手塚治虫の一般的なイメージとは程遠い極めて暗く、救いようのない作品がいくつもあることは紹介してきたとおりである。 特に「ビッグコミック」に連載してきた青年向けの作品にその傾向が強いことも... 熱々たけちゃん
【漫画】の紹介 コミック版「戦争は女の顔をしていない」〜衝撃の傑作を日本人が漫画にする快挙。これは素晴らしい!是非読んでほしい。 2022年3月31日 「戦争は女の顔をしていない」が日本人の手によって漫画化 紹介したアレクシエーヴィチの「戦争は女の顔をしていない」がコミックになっている。漫画化されたのだ。それも何と日本人の手によって。 漫画といえば日本が世界に冠たる文化を誇っているので、日本人ということは十分にあり得るのだが、それにしても日本人の手によってこの独ソ戦... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 「戦争は女の顔をしていない」(後編)~命を懸けて戦い抜いた女性兵士たちを待ち受けていたものは。胸が張り裂ける衝撃のドキュメンタリー。 2022年3月27日 前編からの続きである。 「戦争は女の顔をしていない」で描かれているもの これにはもう圧倒されてしまう。 独ソ戦に出征したありとあらゆる女性たちが紹介される。 医師あるいは看護婦として兵士たちと行動を共にしたということは、どこの国にもあった。それは当然想像できる。 ソ連の場合には、女医や看護婦、衛生士などももちろんたくさ... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 「戦争は女の顔をしていない」(前編)〜ウクライナ出身のノーベル文学賞作家が描く独ソ戦で戦う従軍女性に衝撃! 2022年3月27日 きかきロシアのウクライナ侵略戦争がひど過ぎる 2022年3月下旬。目を背けたくなるような本当に酷いことが毎日ウクライナの地で続いている。 ロシアによるウクライナへの侵略は、ロシアが一方的にウクライナに攻め込んだ侵略戦争の開始からほぼ1カ月が経過した。 侵略戦争を開始したプーチンが当初考えていたようなほんの2〜3日でウク... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 亀山郁夫「磔のロシア」〜スターリンの大粛清に翻弄された芸術家たちの過酷な運命。ソ連とはどういう国だったのか! 2022年3月21日 亀山郁夫の渾身の一冊「磔のロシア」 亀山郁夫の渾身の一冊を読み終えた。タイトルは「磔のロシア スターリンと芸術家たち」。磔は「はりつけ」だ。生々しい中々強烈なタイトルである。 現在、ロシアによる一方的なウクライナへの侵攻(日本の報道ではどこでも侵攻と言っているが、これは明らかに侵略戦争に他ならない)が続いている中で、ど... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 【半藤一利対談シリーズ⑥】出口治明「世界史としての日本史」には唸らずにはいられない!全ての日本人の必読の書。 2022年3月13日 半藤さんとの対談本の紹介:第6弾 久々に半藤一利さんの対談本を紹介する。既に5冊を取り上げており、今回は第6弾になるが、あの出口治明さんとの「世界史としての日本史」という新書である。 半藤さんと出口さんとの対談本の紹介は、今回2冊目であり、既に一度紹介済みである。 1冊目はあのおもしろさ抜群の「明治維新とは何だったのか... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 出口治明「世界史の10人」〜稀代の読書家が選んだ世界史の10人とは誰だ?興味尽きないおもしろさと限りない刺激! 2022年3月10日 出口治明が世界史から10人のリーダーを選ぶ 既にブログで紹介させてもらった池上彰の「世界を変えた10冊の本」、佐藤優の「悪書の勧め」「悪の処世術」など、一定数の本や人物を紹介する本を何冊かまとめて読んで来たのだが、その最たるものが、今回の「世界史の10人」だ。 この熱々たけちゃんブログではすっかりお馴染みの出口治明の本... 熱々たけちゃん
【映画】の紹介 「ドライブ・マイ・カー」世界中を席巻する超話題作はさすがに心に染みる珠玉の作品。濱口竜介を観逃すな!~いま観るべき熱々映画 2022年2月28日 世界中での大絶賛に納得も、不満もある カンヌ国際映画祭に続いて、アメリカのゴールデングローブ賞でも作品賞に輝き、3月27日(現地時間)の発表を待っているアメリカの第94回(2022年)アカデミー賞においても外国語映画賞ばかりか本家本命の作品賞や監督賞、脚色賞にもノミネートされている「ドライブ・マイ・カー」。その勢いが全... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 加藤陽子「とめられなかった戦争」~薄い文庫本だが、中身は濃厚。あらためてあの戦争の問題点と失敗を検証する! 2022年2月25日 あの戦争への加藤陽子の分かりやすい総括 加藤陽子の本はこのブログの中でも何冊か紹介してきた。「太平洋戦争への道 1931~1941」という半藤一利さんと保阪正康さんとの鼎談本もあったが、何といっても傑作は「それでも日本人は戦争を選んだ」であった。 「それでも日本人は戦争を選んだ」はかなり分厚い文庫本であったが、それに... 熱々たけちゃん
【クラシック音楽】の紹介 ベルグルンド「シベリウス交響曲全集」唯一無二の最高のシベリウス指揮者による至高の演奏をブルーレイで観る感動! 2022年2月20日 シベリウスの最高の指揮者ベルグルンド すごいブルーレイを試聴した。あのシベリウスの全交響曲の演奏会のライヴ映像。指揮者はパーヴォ・ベルグルンド。 シベリウスのファンはもちろん、少しクラシック音楽に詳しい人なら、パーヴォ・ベルグルンドのことを知らない人はいないだろう。 世界最高のシベリウス指揮者。シベリウスの交響曲の数え... 熱々たけちゃん
【映画】の紹介 「ノマドランド」静かな感動がじわじわと込み上げる稀有の名作。現代のノマド(遊牧民)車上生活者に寄り添う奇跡的な映画!~いま観るべき熱々映画 2022年2月14日 静かな感動作に心が震える 素晴らしい映画を観た。「ノマドランド」。これは稀有の傑作だ。といっても、いかにも地味な静かな映画。派手な言葉は全く似合わない。ほとんどドキュメンタリーのような地味な映画であり、控えめな静かな感動がじわじわと込み上げてくる、そんな趣きの作品だ。 かなり話題となった映画ではある。昨年(2021年)... 熱々たけちゃん
【映画】の紹介 「プロミシング・ヤング・ウーマン」二転三転するストーリー展開に唖然!重いテーマなのにオシャレで軽やかな超一級サスペンス!~いま観るべき熱々映画 2022年2月11日 観逃してはいけないちょっと特殊なサスペンス映画!? 何とも形容が難しいちょっと特殊な映画を観た。昨年(2021年)のアカデミー賞(第95回)で脚本賞を受賞した話題作である。 すごい映画とか、衝撃を受けるとか、打ちのめされるとか、そういう重い形容はいかにもそぐわない。と言って、ここに描かれるのは紛れもなく社会性も持ち合わ... 熱々たけちゃん
【映画】の紹介 「霧の中の風景」これ以上の映画を思い浮かべられない珠玉の名作。アンゲロプロスの深い詩情と映像マジックを満喫してほしい!~いま観るべき熱々映画 2022年2月3日 哀切感に満ちた美し過ぎるロードムービー テオ・アンゲロプロス監督が1988年に撮った「霧の中の風景」は、これ以上の映画を思い浮かべることができないような究極の美しさと感動を備えた珠玉の名作である。胸を締め付けられるような哀切感がひしひしと迫ってくる稀有の傑作だ。 テオ・アンゲロプロスはギリシャが生んだ世界屈指の映画監督... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 亀山郁夫新訳「地下室の記録」:ドストエフスキーの誕生!魂の雄叫びと慟哭!引きこもり男の恨み節と自虐が炸裂する超問題作 2022年1月30日 僕のドストエフスキー遍歴 ドストエフスキーは僕にとっても非常に大切な作家である。高校時代から読んできたが、当時は初期の抒情的にしてロマンチックな作品ばかりを愛読してきた。「貧しき人々」や「白夜」などを何度も繰り返し読んだものである。 後期の未曾有の大作群のことは、非常に気になりつつも中々手が出せなかったが、例の読書界に... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 佐藤優「悪の処世術」:11人の独裁者の素顔と生き様を佐藤優が斬る!有用で興味尽きない一方、いたく失望させられた記述も! 2022年1月29日 今度はズバリ独裁者列伝だ 2021年から2022年にかけての年末年始に集中的に読み切った3冊の本の最後は、前回取り上げた「危ない読書」の佐藤優だ。 久々に佐藤優の新刊を読んで、悪書の紹介は非常に役に立ち、楽しめたことに気を良くして僕は、引き続きもう一冊、佐藤優を正月に読んだわけだ。それが「悪の処世術」というこれまた新刊... 熱々たけちゃん
【本】の紹介 佐藤優『危ない読書~教養を広げる「悪書」のすすめ』:これは興奮必至の何とも刺激的な1冊!実におもしろかった! 2022年1月25日 佐藤優の「危ない読書」に思わず夢中になってしまう 2021~2022年の年末年始6連休中に読み終えた3冊の本のうちの2冊目は、佐藤優の『「危ない読書」~教養を広げる「悪書」のすすめ』であった。実におもしろく、思わず夢中になってしまった興味尽きない1冊だ。 「危ない読書」ということであり、ここで紹介される数々の本は、いず... 熱々たけちゃん