感涙する程のすごいビジネス本(自己啓発書)

全く素晴らしい本で、夢中になって一気に読み終えた。久々の深い感動と満足感を味わっている。森岡毅(つよし)さんのマーケティングの本だ。かなり良く知られた「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」である。

これは素晴らしい本だった。僕は今まで様々なビジネス本、あるいは仕事を進める上での自己啓発本の類を読んできて、このブログの中でも何冊も紹介してきたが、その中でも屈指の名著と大推薦したい。

これを読んで僕は感動してしまった。とにかく無条件にめちゃくちゃ面白い。ものすごく引き込まれ、思わず涙が込み上げた。心を激しく揺り動かされた。

読んでいて涙が出るほど感動するビジネス本なんてものは、そうあるものではなく、この本はそんな稀な1冊と言っていい。

その面白さと興味深さは傑出していて、これは役に立つなあと、読んでいてワクワクドキドキが収まらなくなってしまう。

この一冊に深い感銘を受けた僕は、森岡毅さんの熱心なファンとなってしまった。そして、それ以来、今も森岡さんの書いた他の本を読み漁っている状態だ。

紹介した本の表紙の写真
これが表紙。帯を読むとこの本がいかに多くの人の共感を呼び、良く読まれているかが分かる。
紹介した本の裏表紙の写真
これが裏表紙。読者の感想が参考になる。

森岡毅さんのこと

森岡毅さんのことはもうかなり良く知られているので、ご存知の方が多いと思う。

本のタイトルのとおり、あのUSJ、大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を蘇らせた男として世に知られたやり手のマーケターである。

僕はかなり前から森岡毅(以下敬称略)のことは知っていた。もちろんUSJの経営を立て直した外部から登用されたプロとしてだ。

かつてNHKの「プロフェッショナル」でも取り上げられていた。それをちゃんと見ていたのだが、その当時はそれほどピンと来なかったというのが本音。すごい人がいたものだと思ったが、所詮住んでる世界が違うと割り切ってしまったのだろうか。 

1972年(昭和47年)の10月生まれなので、年齢は現在(2022年6月)49歳。まだまだ若い。これから更に大きな飛躍が約束された期待の日本人マーケターである。

民放のテレビ番組「日曜日の初耳学」に思わず感動

僕が今回、森岡毅の本を購入して、ホンの数日(平日の3日間)で一気に読んでしまったきっかけは、TBSで日曜日の夜にやっている「日曜日の初耳学」(2022年5月29日放送)を見たせいである。

あの林修の番組だ。正直言ってあまり関心の持てないお笑い芸人などの芸能人やマスコミ関係者の悩み事や迷いを森岡毅にぶつけて回答してもらうという「熱血授業」番組である。

林修が「説明の仕方・説明の内容 これ以上のものが今の日本のTV界にあるのかな」と大絶賛するCMを見て、さすがに興味を惹かれ、面白半分に見始めたのだが、これがいけなかった(笑)。僕は森岡毅の授業にスッカリ夢中になってしまったのだ。

本当におもしろかった。森岡毅の話す姿が非常に落ち着いたもので、その対応の素晴らしさにも感銘を受けたのだが、なんと言っても、その内容の素晴らしさに圧倒された。実におもしろく、興味深かった。そして、森岡毅の解説はビジネスのマネジメントとして、僕にとっては非常に納得できることばかりで、深く共感を覚えたのだ。

その落ち着いた説明ぶりも好感度が抜群で、言ってみれば、僕はあの番組でスッカリ森岡毅に惚れ込んでしまったのだ。もうゾッコンというくらいに。

あの番組を見ている段階で、もう熱い涙が込み上げてくるのを抑えることができなかった程。

番組を見終わると同時に森岡毅の著作を片っ端から調べたのは、僕としては至極当然のこと。そして、皮切りとして直ぐに3冊を注文し、届くなり直ぐに読み始めたというわけだ。

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めちゃくちゃ面白く刺激的

こうして一気に読み終えたこの本は、テレビ番組以上に更に面白かった。本当に感動させられた。読んでいてとにかく興奮が収まらない。260ページのソフトカバーの本だったが、ホンの2~3日(昼間働きながら)で一気呵成に読み切ってしまった。

実は、僕はその頃6種類の本を同時並行して読んでいたのだが、突然割り込んできたこの森岡毅の本が、あまりにも面白くて刺激的だったので、先に読み始めていた6冊が後回しにされてしまって、今は森岡毅一色に染まりつつある。

今回紹介する本書を読み終わった今も、直ぐに次の本を読み始め、そちらも面白くてたまらないという稀有の読書体験をしている真っ最中なのだ。

森岡毅は本当にすごい。

本書の基本情報:全体のテーマと構成

2016年4月23日初版発行。僕が購入したものは2021年12月15日発行の30版である。5年で30版というのは相当売れている証である。
角川書店から刊行されているソフトカバー。全261ページ。プロローグとエピローグ付きの全9章からなる。タイトルを表示してみる。

プロローグ USJがTDLを超えた日
第1章 USJの成功の秘密はマーケティングにあり
第2章 日本のほとんどの企業はマーケティングができていない
第3章 マーケティングの本質とは何か
第4章 「戦略」を学ぼう
第5章 マーケティング・フレームワークを学ぼう
第6章 マーケティングが日本を救う!
第7章 私はどうやってマーケターになったのか?
第8章 マーケターに向いている人、いない人
第9章 キャリアはどうやって作るのか?
エピローグ 未来のマーケターの皆さんへ

非常に分かりやすいタイトルが付けられているので、およそどのような内容が展開されるのかは想像がつくだろう。

紹介した本の表紙を外して広げた写真。USJのジェットコースターのシルエットとコメント満載の帯の解説が貴重。
表紙を外して広げた写真。USJのジェットコースターの印象的なシルエットとコメント満載の帯の解説が貴重。

前半と後半の2部構成に大別できる

本書は全体で9つの章立てから構成されているが、大きく2部構成になっている。前半の第5章までは森岡毅の専門のマーケティングについて初心者に分かりやすく解説し、後半(第6章~第9章)はマーケティングの解説から離れ、森岡毅が今日のUSJの復活を成し遂げるまでの経緯と、それらの貴重な体験を通じて身に付けてきた仕事に対する姿勢や心構えなど、森岡毅の熱い思いを縷々綴っている。言ってみれば、森岡毅の自伝的な履歴書である。

後半のこの森岡毅の自伝的色彩の強い仕事論、人生論も傾聴に値するもので、これはこれで非常に興味深く読むことができたが、僕が何よりも深く感銘を受け、非常に参考になったのは、前半(第1章~第5章)のマーケティングの解説部分である。

これは本当に目からの鱗の連続であって、どのページを開いても新たな学びと発見があり、ページを捲る度に興奮を収めることができなかった。

素晴らしい!の一言に尽きる。本当に勉強になった。

ズバリ言うと、僕の今の仕事、大病院の事務局長として病院の改革を推進するに当たっても、ここに書かれていることは非常に参考になることばかりで、貴重なサゼッションと示唆に富むものばかりであった。

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どんな業界にも当てはまる成果を上回るための必勝法

マーケティングという手法と考え方そのものを基礎からしっかりと学べることが一番のメリットであるが、森岡毅自身が本書でも繰り返し書いているとおり、マーケティングそのものに直接関わることがなくても、ここでマーケティングについて書かれていることは、マーケティング以外にもそのまま当てはまり、通用できるものなのである。

森岡毅の生の言葉を引用しておくと、

『私はできるだけ多くの人に「マーケティングの考え方はマーケターだけのものではない。学ばないともったいないですよ」と伝えることにしています。マーケティングの基本の考え方である「マーケティング思考」は、全ての仕事の成功確率をグンと上げるからです。ビジネスで成功したい全ての人は、マーケティング思考を一度しっかりと学んでおくべきです。
なぜならばマーケティングこそがビジネスを成功させるための方法論だからです。マーケティングの考え方は会社業績を上げるための道しるべとなります。マーケティングの根本にある戦略的な考え方は、仕事内容に関係なく、あなたが周囲から期待される成果を大きく上回っていくための必勝法なのです。』

いかがだろうか。これを聞いたらマーケティングに関心を持たないわけにいかなくなる。

森岡毅が本書で非常に分かりやすく解説しているマーケティングの基本は、その全てがいちいち納得できることばかりか、非常に示唆に満ちた刺激的なことばかりで、何とも嬉しい限りである。

それは僕の仕事である病院経営にもそのまま当てはまるものばかりだった。僕は本書から、僕が日々格闘し、推進している病院改革の上でも非常に多くのヒント、示唆、更に大いなる刺激を与えられ、嬉しくたまらなくなり、思わず興奮してしまったというわけである。

その意味で、この本はマーケティングの基礎を身に付ける最高の教科書というにとどまらず、企業、組織で働く全ての人の参考になるものだ。そう思って読んでもらえばいい。

いや、これは正確な言い方ではないかもしれない。森岡毅もマーケティングそのものが組織で働く全ての人の参考になるのでマーケティング思考を学べと言っており、本当にそのとおりだと痛感させたれた次第。

本書執筆の目的を森岡毅は

本書の執筆の目的を森岡毅がプロローグに書いている。引用しておく。

「マーケターでなくても、マーケティングの考え方を理解できる人が増えれば、それだけで多くの企業は変わるはずです。マーケターではない圧倒的多数の社会人や若者こそ、マーケティングの考え方を知ることが重要だと思うのです。
本書執筆のきっかけはそれです。マーケターでない人が読んでもわかる本を、ビジネスで成功したい全ての人に向けてわかりやすく書きます。(後略)」

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森岡毅はUSJの何を変えたのか?

森岡毅は、会社からマーケティングに期待される第一の仕事は、トップライン(売上金額)を大きく伸ばすことだと言う。「集客数」をどうやって伸ばすのか。そしてマーケティングは会社の「頭脳」でもあるが、それと同時に多くの部署を動かす会社の「心臓」の役割も担うと言い切る。

そして、マーケティング思考に則って、森岡毅がUSJで変えた項目は、視点によっては数百では済まないくらい列挙できると言うが、変えたことの根っこには共通点があり、究極的には、変えたのはこの一つだけと答えてもいいと言う。

『それは「消費者視点」という価値観と仕組みにUSJを変えたことです。USJが消費者視点の会社に変わったということが、V字回復の最大の原動力だと思います』

ズバリ「消費者の方を向いて消費者のために働け」と。

これは当たり前のことなのだが、僕の心に激しく突き刺さった!

病院でも「患者の視点」とは良く使われる言葉であるが、病院で働く全スタッフがこの大原則にして大鉄則に従って働いているだろうか。

「患者の方を向いて患者のために働け」と。これは突き刺さる。この一言に接しただけでも本書を読んだ甲斐があった。そう痛感させられた瞬間だ。

こんな金言に満ち溢れたマーケティングの基礎を、非常に分かりやすい言葉で解説してくれる。本当に貴重なものだ。

マーケティングの解説部分は全体でも160ページ程、直ぐに読める。どうか実際に本書を手に取って読んでほしい。

このマーケティングの解説部分は第1章から第5章までであるが、それぞれの章の最後には、「まとめ」として1ページにコンパクトにまとめてくれている。これが思考の整理に非常に役立つ貴重なもの。

こんな感じである。

ブログ本文で紹介した章毎の「まとめ」の写真。これは第1章のもの。
こんな感じである。非常にコンパクトにまとめられていて、思考の整理に最適だ。

マーケターの喜び

森岡毅は、マーケティングを「消費者価値を向上させるための科学」「人を幸せにするために徹底された科学」と呼んでいる。

そして、マーケターとして働く喜びを以下のように表現する。

「マーケターとして何かをやり遂げたときの、全身の毛穴から興奮とエネルギーが針のように吹き出してくるあの達成感!

自分が生まれてきた意味を実感できる瞬間がそこにあります。マーケティングは人を幸せにすることで自分も幸せになれる科学なのです」と。

ここまで言われると、本当に真剣にマーケティングに取り組みたいと痛感させられてしまう。

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「目から鱗」の森岡毅の言葉の数々

「強みの裏側には必ず弱みがある」

SWOT分析で取り上げられる「強み」と「弱み」。それがある意味で表裏一体であることは何も森岡毅だけが言う話しではないが、この「強みの裏側には必ず弱みがある」という表現はその本質を簡潔ながらもものの見事に突いていて、ストンと胸に落ちる。そして、こう続くのだ。

「同じ特徴でも文脈を変えれば強みは弱みにもなる」

戦略を考える森岡毅は、更にそれをこう展開する。

「自身に有利になるように文脈(戦いのルール)を設定する」

自分のやる仕事が、人々の頭の中の価値軸を変えて、より多くの価値を生み出す、それが人々の購買行動を決定的に変える。その活動は、人々の心に彩りの刺激を与え、結果として人々を経済的ににもずっと豊かにすると。

リーダーシップ力とは

森岡毅が、マーケターに向いている適性の第1位に推しているものがリーダーシップ力である。

森岡毅は、リーダーシップチームが向かうべきビジョンを明確に掲げ、限られた資源を適切に割り振りし、人々が力を発揮しやすいように環境を整え、時には人のお尻を蹴り、時には人を勇気つけて、テーム全体の力を束ねて勝利へと牽引していく力、それがリーダーシップ力」だと言う。

そして面白いことに、「リーダーシップの優れた資質は子供の時から発現します。ほぼ例外なく、社会人になるまでの間に何らかのリーダーシップを発揮しているものなのです。目的を掲げて集団を引っ張った経験や自分自身が起点になることで全体を良い方向に変えた経験をしているもの。グループ全体や自分以外の人々に対する関心や情熱が強い」と書かれているのを読んで、我が意を得たりと、僕も大いに勇気をもらった。

本書を読んで、僕は初心に戻って今の仕事にベストを尽くし、「患者のために働き、もっといい病院に変えていこう」と決意も新たにしたところである。

組織で働く全ての人のバイブル。必読!

本書を読めば、みんな勇気をもらって元気になれる。そう確信する。

書かれていることは全て非常に示唆に富む貴重なものばかり。日々の業務に取り組むにあたって、本書に書かれた具体的なマーケティング思考に基づいてやってみることもいいだろう、必ずや成果が上がるものと思えるが、何よりもこの本からは「一つの目標の達成に向かって頑張っていこう」という勇気と新たな使命を呼び起こしてくれるに違いない。

まだ読んだことのない方は、どうか騙されたと思って、直ぐに本書を購入し、読み始めてほしい。どのページからもビックリさせられる新たな発見と気づきがあり、明日からの仕事に取り組む姿勢が変わり、元気をもらえることを約束する。そうなれば成果も自ずから上がってくるものなのだ。

全てのサラリーマンと働く人にとってバイブルに成り得る必読書。どうか読んでほしい。宝物を見逃すな。

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明日(2022.6.12)の夜、「日曜日の初耳学」に再度森岡毅が登場!見逃すな!

【注目!!】

冒頭で触れたTBSで日曜日の夜に放送の「日曜日の初耳学」、僕が見て深く感動させられた森岡毅の熱血授業の後編が明日の夜、(2022年6月11日夜10時〜)放映されるとのこと。このオンエアは見逃すな!
必見。お忘れなく。

 

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