目 次
庭からほぼ全てのシャクヤクが消えた
5月28日(水)のことである。久々に柔らかい日差しが当たって、非常に過ごしやすい陽気となった。
そんな中、我が家の庭を見渡すと、シャクヤク畑からは、あれだけ咲き誇ったシャクヤクの豪華な花がすっかり消えてしまっている。
みんな散ってしまった。その中で、1本だけ残って、これから満開に花開こうと孤軍奮闘している花がある。
その感動的な姿にはついては、次回のレポートに回させていただくとして、今日はシャクヤクの花後の楽しみであるドライフラワー作りについてレポートしたい。
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ドライフラワー作りの経緯
ここ2年間に渡って、ずっとドライフラワーを作ってきた。最初はハンギング法を見様見まねでやってみた。例の逆さ吊りだ。これは思いの外、感嘆に作れた。
去年は新たなステージに。シリカゲルによる本格的なドライフラワー作り。
これも思っていたよりもかなり簡単で、直ぐに結果を残せた。色々な課題もあったが、僕が強く望んでいた、シャクヤクのあのゴージャスな花を、形もボリューム感も色も、そっくりそのまま残すという贅沢かつ大胆な願望だった。
何とかそれなりの結果が残せて、僕はこのシリカゲルを用いるドライフラワー作りに夢中になった。
ドンドン、シリカゲルを注文して、結局10キロではきかない程の大量なシリカゲルを用いて片っ端からシリカゲルに漬け込んだのが去年だ。
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シリカゲル法に大満足だったが
そのシリカゲル法によるシャクヤクのドライフラワー。3~4カ月しかその美しい姿は保たれないと言われていたが、去年作ったうちの何本かは、何と丸々1年以上経過した現在もなお、そのまま我が家のリビングを飾ってくれている。
大満足だ。




だが、1年前にあれだけ憑りつかれたように作りまくった中で、今年は色々な反省点と改善点に思い至った。
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今年のドライフラワー作りの鉄則!
先ず一番大きな気づきは、もうドライフラワー作りに夢中になるのは止めようということだった。
最初から水を差すようなコメントで申し訳ない。だが、これはそのとおりなのである。
去年の今頃は、部屋のいたるところに端から逆さに吊るされたシャクヤクの花々とシリカゲルに漬け込んだケースがゴロゴロしていたが、今年はそんなことはない。
ドライフラワーを必要最小限にする。
今年の見事に咲き誇ってくれた生の花々をしっかりと見ていると、これが最高。これを言ってみればミイラにして保存しても、どうしたって今、目の前に咲き誇っている生の花の圧倒的な素晴らしさに勝ることはない。
1年に1回だけ、しかも1週間ちょっとで散ってしまうあの生の実際の花を存分に見続けて、心に刻み込む、せめて写真や動画に収めるだけでいい。
年に1回だけのたった1週間の開花姿を存分に味わった方がいい。ミイラにしても、どうしたって生の花の美しさに勝てるわけはないし、どうしたってあの美しさと豪華さを保存することはできない。
そう確信するに至った。
白いシャクヤクはドライフラワー対象外
白い花のシャクヤクは、今後一切、ドライフラワーにはしない、と固く決心した。
白いシャクヤクと言っても、そう何種類も我が家にあるわけではないので、実際にはラテンドールのことになる。今年も一番たくさんの花を、一番豪華に咲かせてくれたのは、議論の余地なくラテンドールだった。
去年まで、ラテンドールはハンギング法(逆さ吊り)でもシリカゲル法でもたくさんドライにした。シリカゲル法では、生の花とそれほど遜色のない素晴らしいドライフラワーを作ることができたが、やっぱりあの雪のような純白さを再現することは難しく、かなり近づけたとしても、やがて茶色くなって、あの衝撃的なまでの白さは残せない。
今でも去年のシリカゲル法で作ったドライフラワーが部屋の中に飾られていて、毎日のように眺めていた中で、今年の5月初旬に実際にラテンドールの生の花を目の当たりにしたとき、衝撃を受けた。
部屋を飾って毎日、僕を慰めていたドライフラワーのラテンドールとは、全く別物だった。
目の前で、今、現に咲いているラテンドールの実際の花が驚くほど美しかった。衝撃的な、有無を言わせぬ美しさだった。
これを見たら、ドライフラワーなんて作れない、作っちゃダメだと痛感させられた。
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逆さ吊りは最小限にする
もう一つの決心は、基本的にはハンギング法(逆さ吊り)はもう作らないということだった。
シャクヤクのあの豪華な美しさをそのまま封印して、いつまでもあの美しさを鑑賞していたいと思った時に、ハンギング法ではその思いが満たされないことは明らかだ。
形と大きさ3分の2以下になってしまうし、色も変わってしまう。あのシャクヤクの圧倒的な花のイメージは、ハンギング法で作られたドライフラワーには皆目ない。
そうは言っても、あのハンギング法によるドライフラワーにも、それなりの魅力はある、別の魅力があることは僕は重々分かっているので、必要最小限にしようと決心したのである。
一切作らないのではなく、赤系の色の濃い品種を中心に少しだけ作る、そういうことだ。
実際の必要性に迫られて、作らざるを得ないこともある。
我が家のシャクヤクの多くが、ほぼ同時に満開を迎えることが多いので、シリカゲル法だけでドライフラワーを作ろうと思うと、シリカゲルと漬け込むケースが足りなくなってしまうという切実な内実がある。
バッティングしてしまう。今年はまた、更に大量のシリカゲルを追加注文して、ケースも増やしたが、それでも間に合わなかった。
そいういうときは、必要に駆られて、ハンギング法で逆さにぶら下げた。
結論的には、今年のハンギング法は全部で5本に留まった。5輪だけ。夕映中心に麒麟丸が1輪だった。
写真で見てもらおう。






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シリカゲル法による致命的な欠点
したがって今年のドライフラワーは、相当に制限された。
① 白系の花はドライフラワーの対象にしない ラテンドール中心だが、波の華、かぐや姫も。
② シリカゲル法を中心にする
そのシリカゲル法には大きな欠点、欠陥があった。これを今年はどうしても改善させたかった。
花があの生花のボリューム感で遺すことはできるのだが、片面が潰れてしまう。絶壁頭になってしまうことだ。花の半分がペチャンコになってしまう。
なぜ片面が潰れるのかはハッキリしている
原因は明確だった。
僕のシリカゲルを用いたドライフラワーの作り方は、僕独自の方法となっている。
僕は、色々な書籍やネット情報などで推奨されている、一般的なシリカゲル法を完全に無視した方法で、ドライフラワーを作っているのである。
ルール違反、有り得ない作り方で作っていると言っていい。
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シリカゲル法の一般ルール
シリカゲルを用いたドライフラワー作りでは、その対象は花そのものに限定されるのだ。
つまりシリカゲルでドライフラワーを作り時の鉄則は、敷き詰めたシリカゲルの上に真っすぐに花を乗せて、その上から柔らかくシリカゲルを被せ、シリカゲルに漬け込むのがルールである。
そうやれば花が潰れることはない。少なくても片面だけが潰れてしまうという歪なことは起こらない。
ということは、シリカゲル法では、茎も葉っぱもドライの対象にはならないということなのだ。花そのものだけをドライにする。
じゃあ、どうやって飾るんだということになる。茎がなければ花瓶に挿すことができない。そこで、針金のような茎の代わりになるものをドライになった花と連結させて、花瓶に挿す。
つまりドライになった花の下は、針金とか金属の棒状の器具が付けられるのである。枝や葉っぱを残すことができない。
僕はルールを無視した作り方を実践
僕は納得しない。これでは満足できない。
僕がシリカゲル法に拘る理由は、あのシャクヤクのゴージャスな花の姿をそっくりそのまま、色も形も残せることだった。
そっくりそのままという中には、茎も、そこに付いている葉っぱもそのまま残すことは当然。花の部分だけ実際の花で、下は器具や道具で支えられているなんて、僕の理想とはかけ離れている。
どうしても花を支える茎と、大きく広がった枝、葉っぱをそっくりそのまま残す必要がある。そこはどうしても拘わってしまう。
だから僕は、一般のルールを無視してドライフラワーを作っている。竹重流の独自の作り方を実践しているわけだ。
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シリカゲル上に花を寝かすしかない
枝も葉っぱもそっくりそのまま残すドライフラワーを、シリカゲル法で作ろうと思ったら、どうしても敷き詰めたシリカゲルの上に、枝と葉っぱがついたままのシャクヤクの花を、真横に置くしかない。寝かせるわけだ。


立てて作ろうと思ったら、単なる枝や葉っぱの部分を垂直にそっくり全体を埋め尽くすだけの量のシリカゲルが必要になる。垂直に長く伸びた空間部分をそっくりシリカゲルで埋め尽くすとなると、膨大なシリカゲルが必要となることは簡単に想像がつく。
実際に去年、アルミ袋を使ってトライしてみたが、無残な結果となったことは記憶に新しい。
真横に置いてシリカゲルを上からかけるなら、枝も葉っぱも問題なく作れるのは想像つくだろう。
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横に置くと下半分がペチャンコに
問題は花。あのシャクヤクの大輪だ。あのまん丸の大きな花を水平に横に置くと、下になった側が潰れてしまうことは、誰だって容易に想像がつく。



では下になる方を、花の膨らみの分だけシリカゲルを掘って、いわばその穴の部分に花の下半分を収まればいい、と誰だって分かることだが、そう簡単ではない。
シリカゲルは非常に細かい粒子から成り立っていて、砂以上にサラサラで、直ぐに崩れ落ちてしまう。穴を穴として形状を維持することは瞬間的にもできない。
したがって花の下半分を掘った穴の中に収めることは不可能なのだ。
そうなると完成したドライフラワーは下側に置かれた部分がほぼペチャンコに固まってしまう。
これが花半分が潰れてしまう原因であり、それを避けて、あの立派な花をそのまま残そうとすれば、枝や葉っぱを全て落として、花部分だけをシリカゲルに垂直に置くしか手がないわけである。
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致命的欠陥をどう改善するのか?
で、何かうまい方法はないだろうか?と去年の夏以降ずっと考えてきた。
何となくイメージだけは沸いていた。妙案が思い浮かんでいた。
だが、具体的な方法は見つからなかった。
そんな思いあぐんでいた去年の初秋。たまたまとあるものを店の店頭で見かけて、ハッと気が付いた。
これだ。これを使えばいいんんだ!と、閃いた。
一刻も早く、実際に試してみたかった。それを来年実際に実験してみようと、今年の開花を心待ちにしていた。
ある道具を使う。その道具というのは、台所用品だった。えっ!?何だろう?
その閃いた妙案を、実際にやってみた。
うまくいったのだろうか?これは今年の新たなドライフラワー作りへの挑戦の記録である。
【ドライフラワー報告2】に続く。